奥戸橋

奥戸橋について

概要

奥戸橋（おくどばし）は、東京都構想の都市計画道路補助264号に設けられた橋で、中川を越えて葛飾区立石八丁目と奥戸七丁目を結んでいます。この橋は、1972年に竣工されたもので、歴史的には何度か架け替えが行われてきました。

橋の歴史

架橋以前

奥戸橋が架けられる前は、この地域は古代東海道の一部でありまた、江戸時代には立石道として知られる道が通っていました。のちに、明治時代には「奥戸新田の渡し」と呼ばれる渡船所が存在し、人々はここを利用して対岸の移動を行っていました。

1914年の橋の建設

奥戸村では、当時中川を渡る手段が限られており、5つの渡船に依存していたため交通の不便さが目立ちました。1920年代初頭、地域の住民たち、特に奥戸村の石井源治らによって私設橋の設立が提案されました。その結果、1914年に木造の橋が完成し、開通しました。この橋は、77間の長さと2間半の幅を有し、経済的支出は約15,500円に及び、渡船への賠償料として2,800円が充てられました。

その後の歴史

私設の賃取橋として運営されていた奥戸橋はその後、東京府によって買収され、管理が引き継がれました。しかし、自然災害に見舞われることもあり、特に1923年の関東大震災や、1947年のカスリーン台風により、橋は損傷を受け、復旧工事が何度も行われています。

カスリーン台風

1947年に襲ったカスリーン台風では、橋の中央部分が流出してしまいました。この復旧作業は1949年に完了し、新たな木の橋が架けられました。この復旧では、地域の鳶職の仲間たちによる木遣音頭が披露され、地域の活気が蘇りました。

1972年の橋

現在の奥戸橋は、1972年に開通したもので、当時の新しい建設技術を活用しており、全長140m、幅3mの構造です。工事には約6億7500万円が投じられ、1970年からの約2年間にわたって工事が続けられました。完成後は地域の交通に重要な役割を果たしています。

周辺の施設

奥戸橋周辺には、いくつかのスポーツ施設や神社などが存在します。これには葛飾区立奥戸小学校や奥戸総合スポーツセンター、立石熊野神社や奥戸天祖神社などが含まれ、地域コミュニティの中心的な場所となっています。京成立石駅や青砥駅から徒歩約15分でアクセスできるため、多くの地域住民や訪問者に利用されています。

俗称

奥戸橋は「旧奥戸橋」とも呼ばれ、これは下流にある本奥戸橋と比較して用いられる名称です。このような名前は、地域における移動や交通の歴史を反映しており、橋の重要性を示しています。

まとめ

奥戸橋はその歴史を通じて、地域住民の生活に深く根ざしてきた重要なインフラストラクチャーです。橋を通じて中川を越えることにより、多くの人々の往来が実現され、葛飾区の発展に貢献し続ける存在です。

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