女優 わが道

女優 わが道

『女優 わが道』は、1969年5月12日から30日まで放送されたNHKの連続テレビドラマです。この作品は、当時の「銀河ドラマ」シリーズの第3作として、全15回のエピソードから構成されています。白黒の映像で描かれるこのドラマは、若き日の女優杉村春子の道のりを中心に展開され、数々の困難を乗り越えて成長していく女性の姿が感動的に表現されています。

概要

物語は大正時代から始まり、主人公である三杉安芸子が東京の音楽学校の試験に失敗し、希望を失って広島に帰郷する場面からスタートします。安芸子は養母の奈津江に温かく迎えられますが、未来に対する不安でいっぱいです。しかし、彼女の元に教壇に立たないかという話が舞い込み、地元の女学校に臨時教師として赴くことになります。

女学校では同僚の安部や新田から多くを学びますが、その中でも新劇運動に興味を持つようになります。ある日、築地小劇場の広島公演を観た安芸子は、その舞台に感激し、自分自身も女優になりたいという夢を持つようになります。

初恋の人である帝大生の浅見からプロポーズされますが、彼の両親の反対によって二人は別れてしまいます。その後、安芸子はすべてを清算するために上京を思い立ち、安部から紹介された築地の幹部大江に入団を懇願します。ひどい広島訛りにもかかわらず、彼女の情熱とピアノの技術が認められ、無事に入団を許されるのです。東京での生活が始まり、女優としての修業が始まりますが、その道のりは厳しいものでした。

キャスト

このドラマには、三杉安芸子役の林美智子をはじめ、賀原夏子、露口茂、鈴木瑞穂、細川俊之など、多くの俳優が出演しています。物語の中で安芸子がどのように試練を乗り越えていくのかが、彼女の成長を通じて描写されています。特に、先輩女優による厳しい指導が、彼女にとって大きな壁となることでしょう。

スタッフ

本作の原作は女優・杉村春子自身であり、脚本には小野田勇が起用されています。また、音楽はいずみたくが担当し、演出には大原誠、広瀬実、安部睦朗が名を連ねています。制作は合川明が手掛けています。

この作品は、放送当時の社会背景や女優業の厳しさをリアルに描写し、女優という職業の魅力や苦悩を通じて、多くの視聴者に深い感銘を与えました。女学校の音楽教師から、女優としての道を切り開くために奮闘する安芸子の姿は、一人の女性の成長物語として、多くの人々の心に残ることでしょう。

もう一度検索