妙極院

妙極院は、東京都台東区根津にひっそりと佇む真言宗霊雲寺派の寺院です。元禄11年（1698年）に浄厳律師によって開山されました。浄厳律師は、叡尊に始まる真言宗の宗派において、初めて公に「真言律宗」を名乗ったことで知られています。

歴史

浄厳律師は、徳川幕府5代将軍である徳川綱吉から深い帰依を受けていました。その縁から、現在妙極院が位置する土地を幕府から与えられ、寺院を創建するに至りました。この創建が妙極院の起源となっています。また、浄厳律師は「妙極堂」という号も持っており、これが妙極院の院号の由来となっています。

境内には、開山した浄厳律師の墓や、古武術「馬庭念流」の当主であった樋口定伊の墓があります。これらの墓は、妙極院の歴史を物語る上で重要な文化財となっています。

文化財

妙極院には、東京都指定の文化財が2つあります。

樋口定伊墓: 昭和30年に東京都指定旧跡となりました。馬庭念流の歴史を伝える貴重な史跡です。
浄厳律師墓: 昭和33年に東京都指定史跡となりました。妙極院の開山であり、真言律宗の確立に貢献した浄厳律師の功績を偲ぶことができます。

交通アクセス

妙極院は、東京メトロ千代田線の根津駅から徒歩わずか2分という、アクセス至便な場所に位置しています。根津駅からは、言問通りを上野方面へ進み、路地を少し入った場所にあります。

参考文献
東京市下谷区 編『下谷区史』東京市下谷区、1935年

関連項目

真言宗
霊雲寺派
浄厳
樋口定伊
根津駅

妙極院は、都心にありながら静寂に包まれた空間で、歴史と文化に触れることができる場所です。都会の喧騒を忘れ、心静かに過ごしたい時に訪れてみてはいかがでしょうか。

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