妙法寺 (山梨県富士川町)

妙法寺について

妙法寺（みょうほうじ）は、山梨県南巨摩郡富士川町に位置する日蓮宗の本山の一つであり、古くから信仰を集めてきた由緒ある寺院です。山号は徳栄山または小室山と呼ばれ、本尊には十界曼荼羅が祀られています。本寺は「紫陽花寺」として広く知られており、毎年5月には紫陽花祭りが開催され、多くの参拝者で賑わいます。

歴史背景

妙法寺の歴史は持統天皇7年（693年）に遡り、当初は役小角によって開かれた真言宗の寺院、仁王山護国院金胎寺として設立されました。この寺院の存在を示す歴史的な遺物の一つとして、真言宗のもとにあったことを証明する笈（おい）が残されており、その影響が続いています。

文永11年（1274年）、日蓮が訪れた際、当時の住持である恵頂阿闍梨善智法印との間で問答法論が行われました。この結果、善智は日蓮の弟子となることを選びますが、彼の真心からの帰依ではなかったため、翌年には日蓮を襲う計画を立てることになります。しかし、日蓮の機転によってこの計画は未遂に終わり、善智は改心し、金胎寺を妙法寺に改称します。日蓮は彼に「日傳」という法号を授け、以後も彼は日蓮に仕え続けました。

江戸時代の栄華

江戸時代には、妙法寺は武田家や後の徳川家により保護され、その寺領は次第に広がりました。特に、武田晴信から寺領の寄進を受けるなど、政治的にも重要な役割を果たしてきました。また、歴代の将軍からも朱印状が発給されるなど、信仰の厚い寺院としてその名声を高めました。さらに、この時期に寺院の建築も進み、院家塔頭３院２坊を擁する規模に成長しました。

過去には、百々御所宝鏡寺の門跡から祈願所に定められたり、伏見宮の親王からも同様の扱いを受けたりしており、その威光は地域社会に広がっていきました。

文化財と伝統

妙法寺には貴重な文化財として、山梨県指定有形文化財の金銅金具装笈があり、これは修験者が使用した仏具でありながら、 exquisite な技術が施されています。この笈は、彫刻が施された美しいデザインを誇り、数百年前の室町時代の作であり、現在でも多くの人々に注目されています。

現在の妙法寺

今日、妙法寺は「紫陽花寺」として多くの信者や観光客に親しまれており、紫陽花のシーズンには多くの人々が訪れます。さらには、さまざまな歴史背景や文化的価値を有しながら、地域のコミュニティとも強く結びついている存在です。今後もこの寺院は多くの参拝者にとって心の拠り所となり続けるでしょう。

アクセス情報

妙法寺へのアクセスは、JR東海身延線の鰍沢口駅から車で約10分、中部横断自動車道の増穂ICからも約15分で到着します。周辺の自然環境と相まって、訪れる人々に安らぎと癒しを提供しています。

もう一度検索