妙清の乱

妙清の乱

妙清の乱は、高麗時代における重要な反乱で、1135年から1136年にかけて発生しました。この事件は、西京（現在の平壌）を拠点とした僧侶・妙清の活動に起因しています。彼は「陰陽地理説」を基にした教えを広め、開京の貴族層に対抗する動きを展開しました。

背景

仁宗の治世の中、西京で妙清は貴族層からの支持を得て、開京の官僚たちに対し、「高麗は独自の皇帝と年号を持つべきである」と主張しました。さらに、風水の良い西京に遷都することで、国家の運命を回復させ、周辺諸国を従わせることができると批判し、反発していた女真族や金国に対する討伐を呼びかけました。

既に李資謙の乱によって開京が荒廃しており、仁宗は西京の国学派貴族たちに心を傾け始めます。1128年11月には、妙清の提案した西京近くの「大花勢」で新宮殿の建設を命じ、翌年の春には「大花宮」が完成しましたが、仁宗は遷都や皇帝即位には応じませんでした。

反乱の勃発

あいまいな情勢が続く中、1134年末、妙清は仁宗に西京への行幸を促しましたが、仁宗はこれを拒否。そこで1135年1月、妙清は西京で国号を「大為」、年号を「天開」と定め、国家運営に風水思想を掲げて開京貴族に対抗する反乱を起こします。

仁宗はこれに対抗し、開京の西京派貴族を処罰し、金富軾を含む鎮圧軍を派遣しました。反乱軍は孤立し、食糧が不足する中、長期にわたる包囲戦の結果、1136年2月、鎮圧軍が西京に突入。妙清は捕らえられ、殺害され、反乱は鎮圧されました。

乱の影響

この反乱によって、皇室の権威は揺らび、特に西京の貴族勢力が衰退したことが大きな影響をもたらしました。王都開京においては、武臣と文臣の対立が顕在化し、文臣が優位に立つようになりましたが、その後武臣による不満が蓄積され、1170年にはクーデターが発生し、文臣が虐殺される庚寅の乱が引き起こされます。この結果、高麗は武臣政権の時代へと移行していくことになります。

結論

妙清の乱は、高麗における政治的・経済的な権力バランスの変化を象徴する事件であり、その後の歴史にも大きな影響を与えました。この反乱は、地方の権力が中央に対抗する試みや、文化的背景が政治運営に影響を与えることを示しているのです。

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