妙福寺 (町田市)

妙福寺について

妙福寺は、東京都町田市三輪町に位置する日蓮宗の寺院です。長祐山と号し、1391年（明徳2年）に日億によって開かれました。かつては比企谷妙本寺を本山としていましたが、現在は池上中延法縁に属しています。境内には、東京都指定史跡である下三輪玉田谷戸横穴墓群があり、歴史を感じさせる場所です。

伽藍

妙福寺には、歴史的に価値の高い多くの建造物が現存しています。

祖師堂：1672年（寛文12年）に池上本門寺から移築された桃山様式の建築物です。間口が3間、奥行きが3間半あり、周囲に5尺の廊下が設けられています。屋根は銅製で、前面は入母屋造り、背面は寄棟造りとなっています。1961年（昭和36年）に東京都の文化財に指定され、1969年（昭和44年）には修復工事が行われました。
祖師像：祖師堂内には、1662年（万治2年）に製作された厨子の中に安置されている、高さ3尺1寸の日蓮像があります。もともとは別の像が安置されていましたが、後に日法作と判明したため、1678年（延宝6年）に池上本門寺の像と交換されました。
本堂：1659年（万治2年）に再建された後、1791年（寛政3年）に再び再建されました。その後、1838年（文政11年）に修理され、1969年（昭和44年）には草葺き屋根から現在の銅葺き屋根へと改修されました。正面は10間、奥行きは7間半あり、向拝が2間の寄棟造りです。この本堂は、幕末期の方丈形式の本堂の代表例として知られ、町田市指定文化財となっています。
山門：鐘楼門で、中央に両開きの扉があります。大工棟梁は岡上村惣助、細工頭領は相州津久井領の四良兵衛が担当しました。屋根は銅製で、町田市指定文化財です。
梵鐘：鋳造職人である香取正彦によって作られたもので、「長祐山妙福寺、南無妙法蓮華経、四十二世日慎代檀徒一同、昭和三十八年十一月七日」という文字が刻まれています。
総門：高麗門であり、寺伝によると1854年（嘉永7年）頃に建立されたと伝えられています。こちらも町田市指定文化財となっています。
庫裡：1971年（昭和46年）12月に竣工した、白木の木造建築です。

脚注

これらの情報は、以下の資料を参考に作成されました。

日蓮宗寺院大鑑編集委員会『宗祖第七百遠忌記念出版 日蓮宗寺院大鑑』大本山池上本門寺 (1981年)
町田市史
「三輪村 妙福寺」『新編武蔵風土記稿』 巻ノ96多磨郡ノ8、内務省地理局、1884年6月。

関連項目

妙福寺 (大田区)
妙福寺 (練馬区)

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