姚崇

姚崇（よう すう）

姚崇（650年 – 721年）は、中国、唐代の政治家です。初めは姚元崇と名乗り、後に姚元之、姚崇と改名しました。

生涯

姚崇は、陝州硤石県で姚懿の子として生まれました。父は太宗の時代に地方官を務めた人物であり、姚崇もその縁故によって官界に入りました。高宗の皇太子であった李弘の秘書官からキャリアをスタートさせ、兵部郎中の職にあった696年から697年にかけて、契丹の侵攻に対して的確な対応を見せ、その高い政務処理能力を則天武后に認められました。

698年、則天武后によって宰相に抜擢され、その後、中宗の時代には一時退きますが、睿宗の時代に再び宰相の地位に復帰します。しかし、太平公主と対立したことが原因で失脚し、申州刺史に左遷されました。

712年、皇太子であった李隆基が太平公主を滅ぼし、玄宗として即位すると、姚崇はその手腕を評価され、三たび宰相として復活します。以後、玄宗の厚い信任のもと、様々な政治改革に着手しました。奢侈を戒め、刑罰を正し、租税負担の軽減や皆兵制度の撤廃を通じて民衆生活の安定に尽力しました。これにより戸口が増加し、産業が発展し、同時期に政権の中枢にいた宋璟とともに、いわゆる「開元の治」と呼ばれる盛世をもたらしました。

姚崇は臨機応変に政務をこなし、宋璟は法規を着実に運用して厳格に事を進める人物であり、両者はその手法において対照的でしたが、互いに補い合って改革を推進しました。その事績は、『旧唐書』列伝第46、及び『新唐書』列伝第49に「姚崇・宋璟伝」としてまとめられています。後世の史家は、太宗期の「貞観の治」の立役者である「房杜」（房玄齢と杜如晦）に対比して、両者を「姚宋」と並び称しました。

716年、収賄の罪に問われた趙誨を擁護したことで玄宗の不興を買い、それを機に宰相の座を辞任しました。後任の宰相には、姚崇の推薦により宋璟が就任しました。

伴食大臣

姚崇が不在の際、黄門監の盧懐慎が政務を代行しましたが、姚崇に比べて裁決に時間がかかり、政務が大幅に遅れました。このため、人々は盧懐慎のことを「伴食宰相」と呼びました。今日に至るまで、能力や実権に欠ける大臣のことを「伴食大臣」と呼ぶのは、この故事に由来すると言われています。

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