姜登選

姜登選の生涯と業績

姜登選（きょう とうせん）は、清朝末期から民国初期にかけて活躍した軍人であり、北京政府の奉天派に属していました。彼は、超六という字を持ち、農業と商業を営む家庭に生まれました。初めは学問を志していたものの、国の発展のためには軍が不可欠であることを知り、軍人への道を選択しました。

軍歴の始まり

1903年、官費によって日本に軍事留学し、同時期に黄興や宋教仁の影響を受け、中国同盟会に参加しました。1908年には陸軍士官学校砲兵科を卒業し、帰国後は奉天巡防統領である朱慶瀾の下で任用され、彼の才能を認められました。

朱が四川省に転任すると、姜もこれに従い、陸軍第33混成協の二等参謀官や、四川陸軍小学堂の総弁を務めることになります。1911年には四川で発生した武昌起義に関わり、四川軍政府参謀総長に推薦されましたが、姜はこれを辞退しました。朱の失脚に伴い、姜も四川省を去りました。

さらなる昇進と奉天派への参画

1912年、姜は保定陸軍軍官学校の教官に就任し、翌年には貴州陸軍第1師の参謀長として任命されます。この年の11月には朱慶瀾の元に戻り、黒竜江督軍公署の参謀長に就き、12月には陸軍少将として昇進しました。1914年には朱を補佐する立場で鎮安右将軍の参謀長となりましたが、同年5月に朱が下野したため、姜も職を辞しました。

その後は朱の後を追う形で活動し、奉天派に属しました。1917年には総統府の咨議に就任し、1922年には奉天軍総参議として張作霖に仕官します。この時、奉天派が直面した敗北の中で、姜は工兵を指揮し防衛線を構築、退却を援助しました。彼は奉軍の組織を再編成し、その能力向上に貢献しました。

戦争と内部対立

1924年の第2次奉直戦争では、姜は鎮威軍第1軍の軍長に任命され活躍しました。しかし、この時、同僚の郭松齢と対立が生じました。姜は軍の縮小や民力休養の必要性を唱え、張作霖や段祺瑞に進言しましたが、意見は受け入れられませんでした。

1925年8月、姜は南下し蘇皖剿匪司令及び安徽軍務督弁の職に就きますが、攻撃を受け撤退。しかし、山東省の張宗昌と連携し、再度攻撃を仕掛けるも、逆に敗北を喫します。その後、奉軍第4方面軍の軍団長に任命されます。

同年11月22日、郭松齢が反乱を起こし、姜は灤県で彼と面会を試みましたが、逆に拘束されます。姜はその場で反乱参加を拒否し、結果的に郭松齢により銃殺されました。彼の享年は46歳でした。

評価と人柄

姜登選は剛毅果敢で誠実、清廉潔白な性格を持ち、権力や利益を求めなかったとされています。そのため、故郷の人々からも尊敬され、優れた印象を残した人物として記憶されています。彼の軍紀は厳正で、その姿勢が多くの人々に感銘を与えたことでしょう。

参考文献

• - 河北省南宮市地方志編纂委員会編『南宮市志』
• - 来新夏ほか『北洋軍閥史 下冊』
• - 徐友春主編『民国人物大辞典 増訂版』
• - 劉寿林ほか編『民国職官年表』

もう一度検索