嬉野町 (佐賀県)

嬉野町（うれしのまち）に関する詳報

嬉野町は佐賀県の南西部に位置し、以前は藤津郡に属していた町です。この地域は長崎県との境にあり、特に嬉野温泉で著名です。2006年1月1日には、隣接する藤津郡の塩田町と合併し、新たに嬉野市が誕生しました。町役場は現在の塩田町役場に移転しています。

地理

嬉野町は佐賀県の南西部、藤津郡の一部として三つの町の一つでした。地形は南部が山地であり、北部には塩田川の広がる盆地が存在しています。この盆地が町の中心を形成し、地域の生活や産業の基盤となっています。

町内にはいくつかの河川が流れており、代表的なのは塩田川、嬉野川、吉田川です。また、鹿島市、武雄市、塩田町と接し、長崎県の大村市、波佐見町、川棚町、東彼杵町とも隣接しています。

歴史

嬉野町の温泉についての初めての記録は、『肥前国風土記』に見られ、塩田川の東に位置する温泉が言及されています。鎌倉時代には「宇礼志野」という表記が確認され、由来にはいくつかの説があります。特に神功皇后が三韓征伐の際に温泉を利用したという伝説がありますが、地名の由来とは直接的な関係がないとされています。地名自体は、塩田川上流の地域に起因していると言われています。

江戸時代には、長崎街道の宿場町として栄え、商業の中心地としての役割を果たしていました。

沿革

嬉野町の歴史は明治時代から始まります。1889年には新たに西嬉野村、東嬉野村、吉田村が成立し、1929年に西嬉野村が嬉野町に昇格しました。その後、1933年には東嬉野村と、1955年には吉田村と合併し、最終的には2006年に塩田町との合併により嬉野市が設立されました。

1954年には、通勤客や学生が巻き込まれたバス事故が発生し、多くの人命が失われる悲劇が起こりました。

経済

産業と特産品

嬉野町は、「嬉野茶」として知られる高品質の茶の産地であり、茶の栽培は江戸時代に始まったと言われています。特に不動山地区には樹齢300年以上の大茶樹があり、国の天然記念物にも指定されています。最近では伝統的な釜煎り茶の技術が復活し、地域の文化を再評価する動きも見られます。

また、嬉野温泉を利用した「温泉湯どうふ」も有名で、温泉水で湯がいただける特製豆腐が評判です。

さらに、「肥前吉田焼」の陶磁器は、江戸時代以来の伝統を誇ります。塩田町とのつながりもあり、現在も有田系の磁器が生産されています。

交通

嬉野町は交通アクセスも良好で、最寄りの空港には長崎空港と佐賀空港があります。1915年から1931年の間は肥前電気鉄道も通っていましたが、町消滅時点では鉄道は存在しませんでした。しかし、2022年に西九州新幹線が開業し、嬉野温泉駅が設置されました。

名所や観光スポット

嬉野温泉は、地域の主要な観光名所であり、多くの観光客が訪れることで知られています。また、肥前夢街道も観光スポットとして人気です。

嬉野町は、その歴史や美しい自然、特産品を通じて多くの人々に愛され続けています。

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