嬬恋郷土資料館

嬬恋郷土資料館について

群馬県吾妻郡嬬恋村に位置する嬬恋郷土資料館は、1983年に開館した村営の資料館です。この資料館は、1783年の浅間山天明大噴火によって埋没した鎌原村（現在の嬬恋村大字鎌原地区）に関する資料を中心に展示しており、火山災害と江戸時代の人々の生活文化を今に伝えています。特に、浅間山の大噴火という未曽有の災害と、そこからの復興の歴史を伝えることを重要なテーマとしています。

館内には、鎌原村の絵図や発掘された民家の出土品が展示されており、当時の生活の様子を垣間見ることができます。また、縄文時代の遺跡から出土した土器類の常設展示も注目すべき点です。これらの土器は、嬬恋村に古くから人々が生活していた証拠であり、当時から信州（長野県）との交流が盛んだったことを示唆しています。さらに、嬬恋村の特産品であるキャベツに関する解説資料も展示されており、地域の産業についても学ぶことができます。

展示内容の主なポイント

浅間山天明大噴火の記録：大噴火による土石なだれで埋没した鎌原村の資料や絵図を通して、災害の大きさとその影響を伝えます。
江戸時代の生活文化：発掘された民家の出土品から、当時の人々の暮らしぶりを具体的に知ることができます。
縄文時代の土器：今井東平遺跡から出土した土器は、縄文時代の人々の技術や文化を物語ります。特に、黒色磨研注口土器は群馬県の重要文化財に指定されており、その美しさと希少性は見る者を魅了します。
嬬恋村の特産品：キャベツに関する展示を通じて、地域の産業を理解できます。

文化財

館内には、縄文時代（紀元前1500年頃）に作製された「今井東平遺跡注口土器2点（黒色磨研注口土器）」が常設展示されています。この土器は、群馬県の重要文化財に指定されており、大小2個一組で、表面が磨かれて黒色に焼き上げられているのが特徴です。この土器は、完全な状態で出土したため補修は一切行われておらず、その保存状態の良さも特筆すべき点です。

関連施設

鎌原観音堂：資料館と同じ敷地内にあり、埋没した石段とともに「天明三年浅間焼け遺跡」として親しまれています。厄除け観音として信仰を集めています。
鬼押出し園：プリンスホテルが経営する公園で、浅間山大噴火の痕跡を見ることができます。当館との共通券が発行されており、連携関係にあります。
鬼押出し・浅間園：長野原町が経営する公園で、火山博物館が併設されています。当館と対を成す施設として、火山に関する知識を深めることができます。

利用案内

入館料：大人300円（団体240円）、こども150円（団体120円）。団体は30名以上。
休館日：毎週水曜日（祝日の場合は木曜日）、年末年始（12月27日から1月4日）。ただし、7月と8月は無休。
所在地：群馬県吾妻郡嬬恋村大字鎌原494番地

交通アクセス

鉄道・バス：JR吾妻線万座・鹿沢口駅より西武観光バス「軽井沢駅行き」で『鎌原観音堂前』下車徒歩1分。または、北陸新幹線・しなの鉄道軽井沢駅より、西武観光バス「草津温泉行き」または「万座温泉行き」で『鎌原観音堂前』下車徒歩1分。
自動車：関越自動車道「渋川伊香保インターチェンジ」から国道17号、353号、145号、144号経由で約90分。または、上信越自動車道「碓氷軽井沢インターチェンジ」から国道18号、146号、浅間白根火山ルート（鬼押しハイウェー）経由で約60分。

外部リンク

嬬恋郷土資料館

嬬恋郷土資料館は、浅間山の噴火がもたらした災害の記憶を後世に伝え、地域の歴史と文化を深く理解するための重要な施設です。ぜひ一度、訪れてみてください。

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