映画『子連れ狼 その小さき手に』の概要
『子連れ狼 その小さき手に』は、
1993年に公開された
時代劇映画で、
漫画『子連れ狼』を原作としています。この作品は、著名な
漫画家・
小池一夫が自ら企画と製作を手掛けており、主演には
田村正和が起用されています。田村は、実に13年ぶりの
映画出演となり、キャラクターの拝一刀を演じ切りました。また、本作の監督を務めた井上昭も、23年ぶりの
映画制作でした。
概要
この
映画は、原作に対して新たな解釈を加えた作品であり、特に大五郎が乳母車ではなく、父の手を取って歩く描写が印象的です。これまでの作品がアクション重視だったのに対し、本作では父子の愛情に焦点を当てて製作されました。
小池一夫は「この作品が熟成し続け、異なる薫りを放つ映像化を目指した」と語り、タイトルの『小さき手に』には、剣ではなく愛を象徴したい思いが込められています。また、田村は「新しい子連れ狼像を作りたい」との意気込みでこの役を引き受けましたが、ファンの中には田村のイメージと役柄が合わないとの反発も見られました。
あらすじ
物語は、次期剣術指南役の座を巡る企みから始まります。拝一刀と柳生蔵人の御前試合が決定し、政治的な背景も絡む中、柳生一門は拝への謀反の疑いを捏造し、拝の妻を暗殺します。拝一家はその結果として切腹を命じられますが、拝は拒否し、家族を守るために立ち上がります。
柳生一族による襲撃を受けた拝は、自らの屋敷で数々の刺客と戦い、勝ち抜いていく中で、大五郎を連れて江戸を離れ、刺客として再スタートを切ることになります。数年後、拝と大五郎は再び柳生家との因縁に絡む依頼を受け、戦いに巻き込まれていきます。拝は様々な追手と戦い続け、ついには柳生烈堂との壮絶な対決に挑むことになります。
キャスト
スタッフ
- - 監督:井上昭
- - 原作・製作:小池一夫
- - 脚本:中村努
- - 美術・製作総指揮:西岡善信
- - 音楽:川崎真弘
- - プロデューサー:黒川華乃子、市古聖智
- - 製作協力: 映像京都
ロケ地
丸岡城天守、小天橋、沢ノ池、大覚寺放生池、奥嵯峨などが使用され、これらの美しい風景が物語に深みを加えています。
また、この作品の特集された『
花王ファミリースペシャル「華のとき
田村正和」』は
1993年に放送されました。さらに、田村をフィーチャーした写真集もリリースされ、
映画への話題をさらに盛り上げました。
本作は、父子の深い絆とサスペンスが交錯するドラマティックな作品として、多くのファンの心に残っています。