孝定景皇后

孝定景皇后について

孝定景皇后（こうていけいこうごう）、本名は静芬。1868年1月28日に生まれ、1913年2月22日に亡くなった彼女は、清朝光緒帝の皇后として歴史に名を刻んでいます。葉赫那拉氏の出身とされ、また一説にはスワンナラ（蘇完那拉）氏に属するとも言われています。一般には「隆裕皇后」や「隆裕太后」として知られています。彼女は西太后の姪であり、桂祥の次女です。

経歴と結婚

選秀女に参加し、1888年に光緒帝と結婚。翌年に皇后に昇格します。その後、紫禁城の東六宮の一つ、鍾粹宮に居住しましたが、光緒帝との関係は芳しくありませんでした。光緒帝は西太后に対抗するため、彼女を疎んじ、珍妃を寵愛したため、夫婦間の感情は複雑でした。西太后は彼女を皇后にすることで光緒帝の行動を監視しようとしましたが、思い通りにはいかなかったのです。

政治的影響

1900年の義和団の乱が発生すると、西太后と光緒帝と共に西安へ避難します。1901年に乱が収束した後、再び紫禁城に戻りますが、光緒帝の崩御後、西太后の意向により溥儀が皇帝に即位しました。彼女は「隆裕皇太后」として政権を掌握し、溥儀の母として重要な役割を果たしました。その際、溥儀はただ3歳でありました。

彼女は垂簾聴政を始めたものの、西太后が残したお触れに従い、実権は宣統帝の父である載灃に委ねられました。1912年、辛亥革命による情勢の急変の中、和平派に傾く決断を下し、最後の皇帝であった溥儀の退位を促しました。彼女は「隆裕皇太后」の名で『清室退位詔書』を発表し、これによって清朝の268年の歴史が幕を閉じました。

最後の時

1913年2月12日に崩御した際、溥儀に向けた最後の言葉は格別のものでした。彼女の死後、その業績は高く評価され、特に戦争を終結に導いたことで「女の中の堯舜」と称されました。その葬儀も皇太后としての格式で行われ、多くの市民と政界の重鎮が参列しています。崇陵も民国政府の手によって完成し、光緒帝と共に埋葬されました。

家系

孝定景皇后の家族は、恵徴とフチャ氏を祖父母に持ち、父は桂祥、母は愛新覚羅氏という家系で、彼女の背景は清朝の重要な血筋に根ざしています。彼女が果たした役割は、単なる皇后の域を超え、国家の政治にも大きな影響を及ぼしました。彼女の人生は、清朝の最後の時代を象徴するものとなっています。

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