孝粛周皇后

孝粛皇后（こうしゅくこうごう）は、明朝の第6代・第8代皇帝である英宗（えいそう）の貴妃であり、第9代皇帝成化帝（せいかてい）の実母です。彼女は成化帝の即位後、皇太后として大きな影響力を持ちました。姓は周氏（しゅうし）です。

生涯

孝粛皇后は、順天府昌平県（じゅんてんふしょうへいけん）の農家に生まれました。父は周能（しゅうのう）、母は甄氏（しんし）であり、次女として育ちました。当初、後宮の侍女として仕えていましたが、後に英宗に見初められ、寵愛を受けて嬪（ひん）となりました。英宗との間には、3人の子供をもうけています。

英宗が一時的に皇帝の座を退き、後に復位（奪門の変）した際、周氏は貴妃（きひ）に封じられました。英宗には正室である銭皇后（せんこうごう）との間に子供がいなかったため、周貴妃が産んだ朱見深（しゅけんしん）が皇太子となると、周貴妃の影響力は絶大なものとなりました。

英宗の崩御後、周貴妃は皇太后の地位を巡って銭皇后と対立しました。成化4年（1468年）に銭皇后が死去すると、英宗の遺言であった合葬に断固として反対しました。最終的に成化帝が周氏を説得し、合葬は実現しませんでしたが、銭皇后の遺体は英宗の陵墓の近くに埋葬されました。

銭皇后の死後、周氏は皇太后としてさらに大きな権力を握りました。成化帝の寵愛を受けた万貴妃（ばんきひ）は、他の妃たちを嫉妬し、生まれた皇子たちを次々と暗殺しました。そのような状況下で、生き残っていた朱祐樘（しゅうゆうちょう）後の弘治帝を、周皇太后は万貴妃の手から守り抜きました。成化帝が亡くなり、弘治帝が即位すると、周氏は太皇太后（たいこうたいごう）として、その権勢を維持しました。弘治17年（1504年）に、その波乱に満ちた生涯を終えました。

子女

孝粛皇后には以下の子女がいます。

重慶公主（ちょうけいこうしゅ）
朱見深（しゅけんしん）（後の成化帝）
朱見浚（しゅけんしゅん）

参考文献

『明英宗実録』（みんえいそうじつろく）
* 『追封慶雲侯周公神道碑銘』（ついほうけいうんこうしゅうこうしんどうひめい）

これらの文献から、孝粛皇后の生涯や、その時代背景を知ることができます。

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