孫悟空 (カラオケ)

孫悟空（SONGOKU）: 日本の通信カラオケ機器の歴史

孫悟空（そんごくう）は、1995年5月から登場した日本の通信カラオケ機器であり、開発は日本ビクターとその子会社であるビクターレジャーシステムによって行われました。この機器は、カラオケ市場における一大革新を引き起こし、多くの人々に楽しまれました。

発展の歴史

2006年4月1日、日本ビクターがカラオケ事業からの撤退を決定し、ビクターレジャーシステムの全株式は「JOYSOUND」で有名なエクシングに譲渡されました。その後、ビクターレジャーシステムは株式会社JLSに商号変更し、同年7月にエクシングに吸収合併されました。こうして、孫悟空の権利はエクシングの手に移ったのです。しかしながら、2011年3月末には全ての機種とサービスが終了し、同年4月1日以降は電話回線に接続しても使用はできなくなりました。

名前の由来と特徴

「孫悟空」の名称は、歌を歌う楽しみを意味する「SONG-OK」をもじったものです。このカラオケ機器は、約20,000曲の楽曲を収録しており、特にテレビCMには女優の菅野美穂が起用されていたことでも知られています。

主要な楽曲

特に、SMAPの楽曲に強みを持っており、ビクターエンタテインメントの一員であったことから、唯一のSMAP全曲配信機種でした。シングル曲、カップリング曲、アルバム曲、さらにはソロ曲まで幅広くカバーされていましたが、近年ではDAMやJOYSOUND、UGAといった大手カラオケ機器が全曲配信を実現するに至り、孫悟空の存在意義は次第に薄れていきました。また、宝塚歌劇団の楽曲配信にも強みを持っていたものの、同様に競争が激化していきました。

機種展開

孫悟空は、いくつかの異なるモデルで展開されました:

• - 孫悟空: 1995年発売、デイ市場向けカラオケボックス用。
• - 孫悟空NT（ナイト）: 1997年発売、ナイト市場向け。
• - 孫悟空WG（ワゴン）: 1997年発売、可搬式の宴会場向けモデル。
• - 孫悟空AD（アドオン）: 1997年発売、既存のCDカラオケシステムに孫悟空を利用できるようにするアドオン。
• - 孫悟空V3（ブイスリー）: 1996年発売、デイ市場向け。
• - 孫悟空V（ファイブ）: 1998年発売、デイ市場向け。
• - 孫悟空ロボ: 1998年発売、宴会場向け可搬式モデル。

その後、2000年以降もモデルの追加が続きましたが、サービスの終了と共に、全機種が電話回線に接続しても利用ができなくなるという運命を辿りました。

OEM製品

OEM製品としては、ワキタ製の
SynCom（シンコム）があり、初代孫悟空と同じ1996年に発売されていましたが、2005年10月には楽曲配信を終了し、権利はエクシングに譲渡されました。

まとめ

孫悟空は、1995年から2011年にかけて、日本のカラオケ文化に多大な影響を与えました。その楽曲の豊富さ、特にSMAPの全曲配信という特徴から、多くのユーザーに愛され続けてきました。エクシングの手に渡った後も、その名はカラオケ機器の中で語り継がれていますが、サービスの終了によってその機能は衰退しました。今では、あの頃の賑やかなカラオケボックスの時間を懐かしく思い起こさせる存在となりました。

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