宇佐神宮御神能

宇佐神宮御神能（うさじんぐうごしんのう）

宇佐神宮御神能は、大分県宇佐市に位置する宇佐神宮にて毎年10月20日と21日に行われる重要な祭事です。特に21日は、風除報賽祭の一環として奉納される能楽の特別な日となっています。1975年3月28日には、大分県の無形文化財に指定され、その文化的価値が評価されています。

風除報賽祭とは

風除報賽祭は、宇佐神宮に伝わるさまざまな祭事の一つで、主に作物を風や水害から守り、豊作を感謝するための祭りです。毎年この祭りは10月20日と21日に行われ、両日とも特別な儀式や奉納が行われます。その中で、御神能が行われる21日は特に重要な日で、宇佐神宮の境内に存在する能楽堂にて行われます。

21日の献納儀式には、観客が集まり、神前で神聖な能楽を鑑賞します。一方、祭りの初日である20日には、俚舞楽打（さとまいがくうち）が宇佐神宮の勅使門前の斎庭で行われ、これもまた地元の伝統文化を尊重した重要なイベントです。

御神能の歴史

宇佐神宮の御神能は、その起源を安元年間（1175年 - 1177年）に遡ることができ、当初は申楽として始まったと伝えられています。その後の歴史の中で嬉しい盛衰がありましたが、特に1415年には大内義弘が関与することで再興されました。さらに、関ヶ原の戦い後に中津藩へと入封された細川忠興のもと、1619年に再び活性化しました。このように、宇佐神宮の御神能は約390年間にわたって途切れることなく続けられています。

現在の御神能

現在の宇佐神宮における御神能は、宇佐神宮の氏子たちによって運営される宇佐神宮神能会により、毎年異なる演目が披露されています。しかし、特定の演目『清経』だけは今でも演じられないという独自の慣習があります。これは、地域の伝統を守り続けるための習わしです。

宇佐神宮の御神能は、観世流に属する能と大蔵流に属する狂言が演じられるため、「宇佐観世」と呼ばれています。神前で行われるこの能楽は、厳島神社の桃花祭御神能と並んで日本有数の神事として位置づけられ、観客にとっては敬虔な体験となることでしょう。

このように、宇佐神宮御神能は地域の文化遺産としての重要な役割を担いながら、今後もその魅力を多くの人々に伝え続けていくことでしょう。

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