宇和島鉄道1号形蒸気機関車

1号形について

1号形は、かつて宇和島鉄道に在籍していた特殊狭軌線用のタンク式蒸気機関車です。1913年から1924年にかけて製造されたこの機関車は、宇和島鉄道の運営する路線において重要な役割を果たしました。

概要

1913年にドイツのオーレンシュタイン・ウント・コッペル社によって製造された1号形は、初めに3両、続いて1922年と1924年にそれぞれ1両ずつ合計5両が納入されました。これらの機関車は、当初は宇和島鉄道の番号として1から3、5、6という形で運行されていましたが、1933年に国有化されたことを受けて、鉄道省に所属することになり、ケ220形（ケ220からケ224）に改番されました。

機関車の製造番号は、1913年製が5826から5828、1922年製が9846、1924年製が10838というように、一部の番号が記録されています。さらに、もう1両の機関車が宇和島鉄道に納入されたとされますが、実際には三蟠鉄道に納入予定だったものを、宇和島鉄道が先行して得たもので、特注されたものとされています。

特徴

この機関車の主な特徴は、0-6-0(B)型の車軸配置を持ったウェルタンク機関車である点です。固定軸距は1,400mmで、重量は9.6トン級です。製造当初、炭庫は運転台の前に設置されていましたが、後の改造によって運転台の後ろに炭庫が設置されるようになりました。

国有化と活躍

国有化後、1号形は宇和島線の改軌工事が進むまでの約8年間、その路線で活躍しました。1941年に改軌作業が完了後、松浦線に転属しました。その際、最初に転属したのは1937年にケ222となった機関車で、残る4両は1941年5月に転属しています。松浦線での運用も1944年6月まで続き、その後廃車となりました。ただし、ケ224だけは1946年まで保管され、その後遠州鉄道に譲渡され、1956年まで現役で運用されていました。

同系の機関車

1号形に似た機関車が他にも存在しました。たとえば、三蟠鉄道には1号形と同じ形状の機関車が1両納入されており、1931年の廃止後、日本硫黄沼尻鉄道に売却されました。また、赤穂鉄道にも同様の機関車が導入され、形状は三蟠鉄道のものと類似していましたが、運転台の背部に炭庫を設置する改造が施されていました。

レプリカの製造

近年では、広島県福山市のタカオ株式会社によって1号形のレプリカが製造され、展示されています。これにより、当時の技術とデザインを再現し、多くの人々に歴史を感じさせる役割を果たしています。

このように、1号形は日本の鉄道史において重要な位置を占めており、その稼働年数や形態は地域の歴史や産業の発展に大きく貢献してきました。

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