宇奈岐日女神社

宇奈岐日女神社の概要

宇奈岐日女神社（うなぐひめじんじゃ）は、大分県由布市に所在する古社であり、地域の信仰の中心として長い歴史を持つ神社です。「六所宮」とも称され、地域の人々に親しまれている神社でもあります。社殿には、国常立尊、国狭槌尊、彦火火出見尊など、計6柱の神々が祀られ、その名に由来する「六所宮」という名称が生まれました。

祭神について

現在の宇奈岐日女神社には、次の六柱の神が祭られています。これらの神々が一堂に祀られていることから、神社の別名が生まれたのです。

1. 国常立尊（くにとこたちのみこと）
2. 国狭槌尊（くにさつちのみこと）
3. 彦火火出見尊（ひこほほでみのみこと）
4. 彦波瀲武鸕鷀草葺不合尊（ひこなぎさたけうがやふきあえずのみこと）
5. 神倭磐余彦尊（かむやまといわれひこのみこと、初代神武天皇）
6. 神渟名川耳尊（かむぬなかわみみのみこと、第2代綏靖天皇）

宇奈岐日女神社の主祭神であるウナグヒメは、古文書『延喜式』にも記載されており、歴史的に見ても重要な存在です。「ウナグヒメ」の名は、勾玉など神具を扱った女神という説や、鰻と関連づけられる説が存在します。

ウナグヒメの伝説

この神社には「蹴裂伝説」という興味深い神話が根付いており、由布院盆地がかつては湖であったと語られています。ウナグヒメは湖を見た際、力持ちの大男に命じて岸を破らせました。結果として、湖は干上がり現在の大分川が流れるようになったというものです。この伝説に出てくる大男は「道臣命」と名付けられ、現在も末社で祀られています。

93. さらに、その湖の名残が金鱗湖であるとも言われていますが、地質学的には明言されていない部分もあります。ウナグヒメを豊後国風土記に登場する「速津媛」と同一視する見解や、ヒメヒコ制についての考察もなされており、さまざまな見解が交錯しています。

歴史的背景

宇奈岐日女神社の創建は景行天皇12年に起源すると伝えられています。この神社は由布岳の南西に位置しており、社伝によると、天皇がこの地で祭を行った際に創祀されたとされています。明治期に入ると、社格も変動し、近代社格制度のもとで県社に昇格しました。

境内と文化財

神社の境内は広大で、豊かな自然に囲まれています。本殿は荘厳に構え、朱塗りの流造で造られています。また、境内社や末社もいくつか存在し、地域の信仰が色濃く表れています。特に大杵社に立つ「大スギ」は国の天然記念物に指定されています。

アクセス

大分県由布市湯布院町川上2220に位置し、最寄りの交通アクセスはJR九州久大本線の由布院駅から徒歩約15分です。神社は地域の重要な拠点であり、訪れることで歴史や文化、豊富な自然に触れることができます。

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