由布院駅

由布院駅：由布院温泉への玄関口

由布院駅は、大分県由布市湯布院町に位置する九州旅客鉄道（JR九州）久大本線の駅です。由布院温泉をはじめとする観光地へのアクセス拠点として、多くの観光客で賑わう、由布市内で最も乗降客数の多い駅です。特急列車「ゆふ」「ゆふいんの森」を含む全ての列車が停車し、多くの列車が由布院駅を始発・終着として運行しています。

歴史

由布院駅の歴史は1925年7月29日にまで遡ります。当時は「北由布駅」として、久大東線の湯平駅～北由布駅間の開通に伴い開業しました。その後、1926年11月26日に久大東線が開通、1950年1月1日に現在の「由布院駅」に改称されました。駅の歴史には幾多の出来事があり、1945年8月4日の空襲による全焼や、1978年4月の貨物扱い廃止、1987年4月1日の国鉄分割民営化などがあります。1990年には現駅舎が完成し、現在に至るまで多くの旅人を迎え入れています。近年では、2015年7月に接近メロディーと発車メロディーが導入され、2016年4月には熊本地震による被害を受けましたが、復旧を果たしています。2020年の令和2年7月豪雨、2021年8月の大雨による影響も受けましたが、現在は通常運行に戻っています。

駅舎と構造

由布院駅は、単式ホーム1面1線と島式ホーム1面2線、合計2面3線のホームと、留置線を1本備えた地上駅です。ホーム間は跨線橋、スロープ、構内踏切で接続されており、バリアフリーにも配慮されています。

駅舎は、大分県出身の建築家、磯崎新氏の設計による1990年竣工の建物です。礼拝堂をイメージした木造黒塗り外観が特徴的で、高さ12mの吹き抜けのあるコンコースと、イベントホールを兼ねた待合室を備えています。改札口がないオープンな構造で、駅員が改集札を担当しています。また、温泉水を活用した床暖房が設置されているなど、快適な空間設計が施されています。

駅舎内には由布院温泉観光案内所があり、観光タクシーの予約なども可能です。駅と宿泊施設間の手荷物託送サービスも提供されています。レンタカーやレンタサイクルも利用でき、利便性も高いです。駅舎には、向谷実氏作曲の「Elegant Trip」が接近メロディー・発車メロディーとして使用されています。

足湯

1番のりばの日田方面ホーム端には、利用客に人気の足湯があります。別途足湯券の購入が必要ですが、絵葉書にもなる足湯券や、手ぬぐい付きの券もあります。男女共用と女性専用の足湯が用意されており、京福電気鉄道嵐山本線嵐山駅、阪急電鉄箕面線箕面駅と「足湯三姉妹」として姉妹提携を結んでいます。

利用状況

由布院駅の利用状況は、開業以来変遷を遂げています。1965年度の乗車人員は46万人を超え、手荷物や小荷物の取り扱いも行われていました。2015年度の乗車人員は45万人を超えており、観光地としての由布院の賑わいが伺えます。

駅周辺

由布院駅は、由布院温泉街の中心地に位置し、由布岳を望む絶好のロケーションにあります。駅周辺には、由布市役所湯布院庁舎、由布院温泉、由布院郵便局、由布院小学校、陸上自衛隊湯布院駐屯地などの施設があります。また、金鱗湖や美術館、歴史館なども近く、観光に便利な立地です。

アクセス

由布院駅へは、JR久大本線を利用できます。駅前にバスセンターがあり、高速バスや路線バスが乗り入れています。高速バスでは福岡空港、大分空港からのアクセスも可能です。

その他

由布院駅と旧湯布院町名の「ゆ」の字が違うのは、駅名が1950年に改称されたのに対し、町名が1955年に合併により新たに命名されたためです。駅舎内のトイレは女性専用となり、男性用トイレは駅舎隣接の公衆トイレが利用されています。また、職員の制服はJR九州標準とは異なるデザインとなっています。

隣の駅

野矢駅 - 由布院駅 - 南由布駅

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