宇野茂彦

宇野 茂彦

宇野茂彦（うの しげひこ、1944年5月20日生まれ）は、日本を代表する中国学者であり、中国哲学の研究において高く評価されている学者です。中央大学の名誉教授としての地位を持つ彼は、斯文会の理事長も務めています。

経歴

宇野氏は1944年に東京都で生まれ、父の宇野精一もまた中国哲学の研究者でした。東京大学文学部の中国哲学専修課程に進学し、1969年に卒業。その後は大学院に進み、1974年に博士課程を満期退学しました。

若干の教育経験を経て、愛知教育大学で教鞭を執り、その後青山学院大学に移り、1984年には名古屋大学で助教授に昇格しました。1989年には教授に昇進し、中国哲学研究室を担当しました。1994年からは中央大学の文学部で教授職に就き、主に哲学専修を担当しました。さらに、2005年から2009年の間には文学部長を務め、2005年の春には中央大学杉並高等学校の校長の職に就くなど多岐にわたる役割を果たしました。2015年には定年退職し、名誉教授としての称号を得ています。

学外での活動

学外での委員や役員活動も行っており、宮内庁書陵部の委員としても活躍しています。彼の知識と貢献は広範にわたり、学術界での存在感を持ち続けています。

受賞歴

2023年には、その功績が認められ、瑞宝中綬章を受章しました。

研究業績

宇野氏は中国思想史の研究者として特に知られており、2019年の令和改元に際してはその候補案の考案者の一人として注目されました。古事記や日本書紀から提案された「英弘」や「広至」、漢籍からの「久化」「万保」といった名前の考案に関与したことは、彼の学問の幅広さを示しています。

著作と編集業績

宇野氏は多くの著作を持ち、特に以下のような書籍を発表しています：

• - 『人の道 天の道：孔子』（1981）
• - 『韓非子のことば』（2003）
• - 『諸子思想史雜識』（2022）

また、辞書と事典の編纂にも多く関わっており、例えば『福武漢和辞典』や『漢詩の解釈と鑑賞事典』などでの項目執筆も行っています。さらに、『Encarta百科事典』の改訂版や『中国思想事典』では重要な項目を担当しました。

雑誌論文

宇野氏は数多くの雑誌論文も執筆しており、実績としては1971年の「呂氏春秋に於ける儒墨折衷の様相」から2015年の「諸子百家思想史素描」にわたる多様なテーマに関する研究が見受けられます。具体的には以下のような論文があります：

• - 「魏の客士登用と孟軻」（1974）
• - 「子貢像の變遷」（1985）
• - 「淮南子の総合とその整合管見」（1989）

家族について

宇野茂彦氏はその家系にも中国哲学者が多く、彼の祖父である宇野哲人も研究者でした。このように、彼の学問は受け継がれた伝統に根ざしています。

まとめ

宇野茂彦氏は、中国学の分野において多大なる影響を与え、教育や研究を通じて日本の知識人コミュニティに貢献してきました。その広範な学問の足跡は、今後も語り継がれていくことでしょう。

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