守ってあげたい

守ってあげたい

松任谷由実の名曲「守ってあげたい」は、彼女の17枚目のシングルで、1981年6月21日に東芝EMIからリリースされました。この曲は、日本の音楽シーンにおいて多くの人々に愛され続けている一曲です。特に、角川映画『ねらわれた学園』の主題歌として書き下ろされたことでも有名です。

音楽的背景と制作

「守ってあげたい」は、製作者である角川春樹からの依頼を受けて制作されました。この作品のキャッチコピーには「才能のきらめきは不思議世代を惑わすか」とあり、感情的でありながらも切ないバラードの一面を見せています。歌詞の一部は、ラヴィン・スプーンフルの「You Didn't Have to Be So Nice」に触発されており、アストラッド・ジルベルトのカバーも参考にされました。

ユーミンは歌詞の中で「You didn't have to be so nice」というフレーズを用いたかったものの、字数の関係から「You don't have to worry」に落ち着いたそうです。これは、シンプルながらも聴く人の心に響く表現を生み出しました。

特にユーミンの出身地である東京都八王子市では、この曲が平日14時に市町村の防災行政無線で放送され、地域の人々に親しまれています。また、メロディICにも収録され、電子音報知器として使われたこともあります。

アルバムの収録内容とリリース

本シングルの収録内容は、A面が「守ってあげたい -You Don't Have To Worry-」、B面が「グレイス・スリックの肖像 -Portrait of Grace Slick-」となっています。松任谷由実自身が作詞・作曲を手がけ、アレンジを担当したのは松任谷正隆です。

曲の背景には、若かりし日の思い出を振り返るバラードとしての一面もあり、グレイス・スリックの名前が歌詞に登場します。イントロとエンディング部分は、フランス民謡の「フレール・ジャック」から引用されています。

ヒットと影響

「守ってあげたい」は発売以降、オリコンチャートで29週にわたりランクインし、最高でも期間中の2位を獲得。累計セールスは69.5万枚に達するなど、多くのファンに支持されました。1989年にはCDシングルとして再リリースもされています。さらに、TBS系の「第1回日本作曲大賞」でも大賞を受賞し、その際にユーミン自身が弾き語りでこの曲を披露する場面もありました。

1981年10月8日には、TBS系『ザ・ベストテン』にも出演し、ツアーの衣装でフルコーラスを歌い上げたことが記録として残っています。また、日本テレビ系の『ザ・トップテン』には出演しなかったものの、年間トップテンにはチャートインし、ビデオメッセージも寄せる等、テレビ出演でも注目を浴びました。

多くのカバーと影響

この曲は数々のアーティストによってカバーされており、その影響力の大きさを感じさせます。石川ひとみ、原田知世、A.S.A.Pなど、1980年代から今日に至るまで様々な歌手がこの楽曲を自身のアルバムやシングルに収録しています。近年でも乃木坂46がカバーしており、世代を超えて親しまれている楽曲です。

まとめ

「守ってあげたい」は、松任谷由実が生み出した特別な一曲であり、音楽的な美しさだけでなく、歌詞に込められた思いが多くのリスナーに響き続けています。時代を経ても色あせることのないその魅力は、今なお多くの心を捉えてやみません。

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