守屋和郎

守屋和郎：激動の時代を駆け抜けた外交官

守屋和郎（もりや わろう）は、1893年（明治26年）11月29日に生まれ、1977年（昭和52年）に没した日本の外交官です。彼は、激動の時代に、その手腕を発揮し、日本の外交に貢献しました。元衆議院議員で塩竈市長を務めた守屋栄夫を弟に持ち、元防衛事務次官の守屋武昌を叔父に持つ家系に生まれました。

生い立ちと学歴

宮城県遠田郡富永村（現在の宮城県大崎市）で、守屋徳郎の三男として誕生しました。旧制古川中学（現在の宮城県古川高等学校）を卒業後、旧制二高を経て、1917年（大正6年）に東京帝国大学法科を卒業しました。

外交官としてのキャリア

大学卒業後、逓信省に勤務しましたが、その後、関東庁参事官、外務省事務官へと転じました。外交官としてのキャリアは、英国大使館二等書記官、一等書記官、中華民国公使館一等書記官、福州総領事、大使館参事官、満州国在勤と多岐にわたります。1938年（昭和13年）には特命全権公使に任じられ、アフガニスタン駐箚を命じられましたが、1940年（昭和15年）に退官しました。その後、1944年（昭和19年）には台湾総督府外事部長に就任しました。また、満州国参事官も務め、終戦時には、中国中央政府主席の蔣介石総統との間で、日本代表として敗戦処理に関する交渉にあたりました。

人物像

政治学者である吉野作造と交流があり、吉野の没後には、友人や弟子たちが組織した「吉野博士記念会」にも名を連ねました。読書、打球、囲碁を趣味とし、神道を信仰していました。住所は東京市小石川区大塚仲町にありました。

家族・親族

守屋家は、宮城県遠田郡富永村（現在の大崎市）、塩竈市、東京都に拠点を置いていました。妻は、宮城県仙台市長、渋谷徳三郎の三女である、かつです。長男に経郎がいます。

栄典

守屋和郎は、その功績が認められ、数々の栄典を授与されています。

1920年（大正9年）4月20日 - 正七位
1925年（大正14年）7月15日 - 正六位
1929年（昭和4年）5月2日 - 従五位
1934年（昭和9年）
4月5日 - 勲五等瑞宝章
5月15日 - 正五位
1938年（昭和13年）7月6日 - 勲三等瑞宝章
1939年（昭和14年）4月15日 - 従四位
1940年（昭和15年）8月15日 - 紀元二千六百年祝典記念章

著書

守屋和郎は、著書も残しています。

『アフガニスタン』（守屋和郎著、岡倉書房、1941.11、新東亞風土記叢書 6）
* 『滿洲國に於ける現下の諸問題』（守屋和郎述、日本外交協會、1937.2）


守屋和郎は、激動の時代において、外交官として、また一人の人間として、その生涯を全うしました。彼の残した業績は、今もなお、私たちの心に深く刻まれています。

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