守屋栄夫

守屋栄夫：激動の時代を生きた内務官僚、政治家、歌人

守屋栄夫（もりや えいふ、1884年11月8日 - 1973年2月1日）は、明治から昭和にかけて活躍した日本の内務官僚、政治家、弁護士、そして歌人です。衆議院議員や宮城県塩竈市長を歴任し、激動の時代の中で多岐にわたる分野でその才能を発揮しました。

生涯

出生から学生時代

1884年（明治17年）、宮城県遠田郡に守屋徳郎の長男として生まれました。宮城県古川高等学校を卒業後、第二高等学校を経て、1910年（明治43年）に東京帝国大学法科大学独法科を卒業。同年、文官高等試験に合格し、エリート官僚としての道を歩み始めます。

内務官僚として

内務省に入省後、千葉県や愛知県で理事官を歴任。その後、内務監察官、内務省参事官、朝鮮総督府秘書官、同秘書課長、同庶務部長、内務省社会局社会部長といった要職を歴任しました。1925年（大正14年）には、社会局第二部長として第7回国際労働会議政府代表に選出され、ジュネーブでの会議に参加するなど、国際的な舞台でも活躍しました。しかし、1928年（昭和3年）に内務省を退官します。

政治家として

1928年（昭和3年）、第16回衆議院議員総選挙に無所属で立候補し、初当選を果たします。その後、立憲政友会に入党し、連続6回当選。政治家としての地位を確立しました。1934年（昭和9年）には農林政務次官に就任。政党の離合集散を経て、大政翼賛会中央協力会議委員、大日本昭和連盟総裁などを歴任し、戦時体制を支える役割も担いました。

1942年（昭和17年）には、宮城県塩竈市長に就任。給与を辞退し、無報酬の名誉職として市政に尽力しました。しかし、終戦後の1946年（昭和21年）に公職追放令によって公職を追放されます。追放解除後の1952年（昭和27年）に衆議院議員選挙、1956年（昭和31年）には古川市長選に立候補するも、いずれも落選。政界復帰は叶いませんでした。1973年（昭和48年）2月、88歳で逝去。その功績を称えられ、塩竈市名誉市民に選ばれました。

人物像

政治学者である吉野作造とは同郷であり、親交がありました。吉野の社会事業や朝鮮留学生の援助を側面から支援するなど、人道的な側面も持ち合わせていました。また、歌人としても才能を発揮し、内ヶ崎作三郎の胸像除幕式では自作の歌を奉呈するなど、文学的な素養も深く持ち合わせていました。趣味は和歌と釣りであり、神道を信仰していました。

家族

父は守屋徳郎。兄弟には実業家の徳夫、外交官の守屋和郎などがいます。妻は今野伊織の長女であるよしみ。子には政治家（元塩竈市議）の伴男、実業家の明男、そして防衛事務次官を務めた守屋武昌などがいます。

まとめ

守屋栄夫は、内務官僚、政治家、歌人として多岐にわたる分野で活躍し、日本の近代史にその名を刻みました。激動の時代を生き抜き、それぞれの分野で貢献したその生涯は、多くの人々に感銘を与え続けています。

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