安井純子

安井 純子（やすい じゅんこ）

日本の女子プロゴルファー、安井純子氏は、1960年7月25日に兵庫県で生まれた。一般的にプロゴルファーとしては遅いスタートとされる21歳でゴルフの世界に足を踏み入れたものの、その後の努力と才能でトッププレイヤーへと駆け上がった。地元である兵庫県の兵庫県立家島高等学校（当時の兵庫県立姫路東高等学校家島分校）を卒業後、ゴルフ指導者の島田幸作氏に師事し、技術と精神を磨いた。

キャリアの転機は1984年、プロテストに見事合格したことである。翌年の1985年には日本女子プロゴルフ協会（JLPGA）の47期生として正式に入会し、プロゴルファーとしての第一歩を踏み出した。

ツアーでの活躍は1988年に始まる。この年、「フジサンケイレディスクラシック」でプロ入り後初のツアー優勝を果たし、賞金ランキングも17位にランクインして初のシード権を獲得するなど、飛躍のシーズンとなった。続く1989年には「徳島月の宮レディスクラシックオープン」で再び優勝を飾り、賞金ランキングは12位とさらに順位を上げた。

1990年は安井純子氏のキャリアにおいて特に輝かしい年となった。「東鳩レディスゴルフトーナメント」、「徳島月の宮レディス」、「旭国際レディース」、「スタンレーレディス」と、年間で実に4勝を挙げる圧倒的な強さを見せた。中でも「徳島月の宮レディス」では、5人による激しいプレーオフを制して勝利をもぎ取るなど、勝負強さが際立った。この年の活躍により、賞金ランキングは自身最高の3位を記録した。

1991年も勢いは衰えず、「東鳩レディス」と「ダンロップレディスオープンゴルフ」で年間2勝をマーク。惜しくも「スカイコートレディース」ではプレーオフで森口祐子プロに敗れたが、同年にはホールインワンを2度記録するなど、高い技術力を示した。賞金ランキングは5位とトップランカーの座を維持した。1992年には「大王製紙エリエールレディスオープン」で優勝し、賞金ランキングで再び自己最高タイの3位に入るなど、安定した実力を長きにわたり発揮した。

1993年は優勝には手が届かず、年間最終戦の「東洋水産レディス北海道」ではプレーオフに進出したものの村井真由美プロに敗れた。賞金ランキングは17位となった。1994年も優勝はなく、賞金ランキングは23位と前年を下回った。

しかし、1995年には再び輝きを取り戻す。「フジサンケイレディス」で優勝を果たし、賞金ランキングも10位とトップ10圏内に返り咲いた。1996年から1998年にかけては優勝から遠ざかったが、賞金ランキングはそれぞれ36位、35位、52位と、一定の成績を維持した。

1999年には「廣済堂レディス」と「住友VISA太平洋クラブレディース」で年間2勝を挙げ、健在ぶりを示した。賞金ランキングは11位。2000年もその勢いは続き、「東洋水産レディス北海道」、「新キャタピラー三菱レディース」、「フリスキー大阪女子オープン」で年間3勝をマークした。この年は不動裕理プロが賞金女王を確定させる直前まで、安井プロが賞金ランキング2位につけるなど、年間を通じて優勝争いに絡んだ。最終的な獲得賞金は5,933万円余りとなり、賞金ランキングは5位でシーズンを終えた。

2001年以降はツアーでの優勝はなかったが、長年の安定した成績により、2002年には生涯獲得賞金が5億円を突破するという金字塔を打ち立てた。これは、安井プロがいかに長く女子プロゴルフ界の第一線で活躍し続けたかを物語っている。

特筆すべきは、プレーオフでの圧倒的な強さである。安井プロは歴代タイ記録となる4連勝を記録しており、通算成績も7勝2敗という驚異的な勝率を誇る。プレーオフに持ち込めば「勝てる」と前向きな気持ちになれると本人が語るように、その勝負強さは他の追随を許さないものだった。

現役引退後は、鬼澤信子プロなどを指導するなど、後進の育成にも尽力しており、長きにわたり培った経験と知識を次世代に伝えている。安井純子氏は、その遅咲きのキャリア、数々の優勝、そしてプレーオフでの圧倒的な強さをもって、日本の女子プロゴルフ史に確固たる足跡を残した選手である。

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