安倍季巌

安倍 季巌（あべすえよし）

安倍季巌（1904年5月6日 - 1986年3月18日）は、日本の雅楽師であり、日本芸術院の会員として幅広く知られています。東京都で生まれた彼は、古代から続く宮廷雅楽師の家系に属し、二十八代目の雅楽師としてその名を残しました。実父の石山基巌から引き継がれる形で、安倍氏の伝統を受け継いでいます。

人物背景

安倍家は、孝昭天皇または孝元天皇の子孫とされ、長い歴史を持つ家系です。早世した第三庶流の安倍季朝の後を継いだため、彼は他の庶流が断絶する中で、本流としての役割を担うことになりました。このように、彼の人生は古代から続く大香楽の伝統と密接に結びついています。

職歴と活動

安倍季巌の職歴は非常に多岐に渡ります。1921年には宮内省雅楽練習所を卒業し、その後すぐに宮内省式部職楽部の楽師としての道を歩み始めました。1941年には神宮神部署雅楽講習所の講師としても活動し、1947年には宮内府の技官に就任しました。1949年からは総理府技官（楽府式部職）として勤務し、1954年には宮内庁式部職楽部の楽長としてその責任を引き受けました。91年にわたる彼の職業生活は、日本の雅楽界における重要な役割を果たしました。

栄典と受賞歴

安倍季巌は、その多くの功績により、数々の栄典を受けています。1936年に従七位、1939年には勲八等瑞宝章を授与され、1941年には正七位に昇進しました。さらに1945年には勲七等瑞宝章、1974年には勲三等旭日中綬章が授与されています。1928年からは大礼記念章、1935年に満洲国皇帝記念章、1941年に紀元二千六百年記念章と、多くの記念章を受けており、彼の業績が高く評価されていることがわかります。また、1955年には芸能選奨文部大臣賞、1962年には日本芸術院賞も受賞し、その影響力を示しています。

家族

安倍季巌の家族も雅楽界での活動を続けています。彼の子供である安倍季昌は、宮内庁式部職楽部の元楽長としての経歴を持ち、彼の伝統を受け継いでいます。家族全体が雅楽を通じて、日本の文化に寄与している証でもあります。

結論

安倍季巌の生涯は、日本の雅楽の発展と伝承に寄与した重要な歴史的な人物の一人です。彼の業績は、雅楽のみならず、日本の芸術全般においても評価されています。

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