安家洞

安家洞（あっかどう）

安家洞は、岩手県下閉伊郡岩泉町に位置する、日本一長い鍾乳洞です。総延長は約23,702メートルを誇り、その規模は国内随一です。この洞窟は、文部科学省によって国の天然記念物に指定されており、その独特な景観は訪れる人々を魅了します。また、三陸ジオパークのジオサイトの一つとしても認定されており、自然の雄大さを感じられる場所です。

特徴

安家洞の入り口は一つしかなく、内部は東西に分岐する主洞を中心に、山内新洞、高月新洞、砂山連洞、瞬華洞など、数多くの支洞が複雑に入り組んでいます。主洞だけでも約23,000メートルもの長さがあり、その規模の大きさが窺えます。

古くは地元の子供たちの遊び場として親しまれていましたが、特定非営利活動法人日本洞穴探検協会などの探検によって、巨大な鍾乳洞であることが明らかになりました。近年でも新たな発見が相次いでおり、巨大なフローストーンや地底湖、日本最大のシールド群などが確認されています。夏には周辺でホタルが観察できるなど、自然豊かな場所としても知られています。

洞内の主な自然構築物

安家洞内部には、長い年月をかけて形成された様々な自然の造形物が存在します。その一部を紹介します。

迷宮: 複雑に入り組んだ通路が、まるで迷路のような空間を作り出しています。
大曲: 大きくカーブした通路が、洞窟のダイナミックさを感じさせます。
神殿: 荘厳な雰囲気を醸し出す、神聖な空間です。
満天星: 星空のように輝く、美しい鍾乳石です。
万年柱: 長い年月をかけて形成された、巨大な柱状の鍾乳石です。
一角サイ: サイの角のような形をした、ユニークな鍾乳石です。
パゴタ: 仏塔のような形をした、美しい鍾乳石です。
ペンギン岩: ペンギンのように見える、可愛らしい形の岩です。
ロケット岩: ロケットのような形をした、ユニークな岩です。
千枚皿: 皿を重ねたように見える、美しい鍾乳石群です。

一般公開

安家洞は、毎年4月中旬から11月末日までの期間、午前8時30分から午後4時30分までの一部エリアが一般公開されています。公開されているのは、入り口から約700メートル地点にある千枚皿までの範囲です。洞内の平均気温は8℃と低く、天井の低い場所もあるため、入り口で上着とヘルメットが貸し出されます。

アクセス

岩泉町民バス: 岩泉病院前バス停から安家洞線に乗り、終点の安家洞バス停で下車します。所要時間は約45分、料金は740円です。
自動車: 岩泉町役場からは、岩手県道7号久慈岩泉線を北へ約20キロメートル進みます。普代駅からは、岩手県道202号普代小屋瀬線を西へ約20キロメートル進みます。

周辺情報

安家洞の周辺には、以下の施設があります。

旧岩泉町立安家小学校・安家中学校
安家郵便局
岩泉町安家診療所
岩泉町役場安家支所
安家バイパス

その他

安家洞は、その規模と美しさから、多くの人々を魅了する観光地です。訪れる際は、事前に情報を確認し、安全に配慮して見学してください。

参考文献

吉井良三『洞穴学ことはじめ』岩波書店〈岩波新書〉、1968年。

関連項目

安家洞 (小惑星))：1991年に発見された小惑星で、安家洞の名が与えられました。
日本一の一覧#地理 - 洞窟#長大洞窟
洞窟 - 鍾乳洞 - カルスト地形
洞窟潜水
地質・鉱物天然記念物一覧
岩手県の観光地
龍泉洞

外部リンク

安家洞のホームページ
安家洞 - 国指定文化財等データベース（文化庁）
NPO法人日本洞穴探検協会 安家洞の概要 (リンク切れ)
* 岩泉町観光マップ 安家洞

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