三陸ジオパーク

三陸ジオパーク

三陸ジオパークは、青森県、岩手県、宮城県の太平洋沿岸に広がる地域を指し、その範囲はかつての陸中海岸国立公園などを含む16の市町村に及びます。2013年9月24日に日本ジオパークとして認定されました。この地域は、地球の歴史、自然、そして人々の生活が密接に結びついた場所です。

テーマと特徴

ジオパークのテーマは「五億年前からの時を刻み、今を生きる」です。このテーマは、三陸地域が持つ長い歴史と、そこで暮らす人々の営みを象徴しています。特に、2011年の東日本大震災で発生した津波などの災害を経験したことから、「繰り返される災害に立ち向かい、将来に備える」という視点が重視されています。また、「地球規模の大地の成り立ち・変遷を知る・体感する」ことや、「豊かなジオの資源と人々の暮らし」も、三陸ジオパークの特徴として挙げられます。

沿革

三陸ジオパークの設立には、国際的な動きと地域的な取り組みが関わっています。

2004年：ユネスコが支援する「世界ジオパークネットワーク」が設立。
2010年3月：岩手県が主導し、県内沿岸13市町村の地域振興を目指す「いわて三陸ジオパーク研究会」が発足。
2011年2月2日：「いわて三陸ジオパーク推進協議会」（岩手三ジ協）が設立。事務局は岩手県宮古市に置かれました。
2011年3月11日：東日本大震災が発生。この災害は、ジオパークの活動に大きな影響を与えました。
2011年8月25日：岩手三ジ協内に学術専門部会が設置され、より専門的な視点からの活動が開始。
2012年3月9日：中央環境審議会が環境省に「三陸地域の自然公園等を活用した復興の考え方について」答申。これにより、自然公園を活用した復興への道筋が示されました。
2012年5月7日：環境省が「三陸復興国立公園の創設を核としたグリーン復興のビジョン」を策定。国立公園を中心とした復興計画が具体化しました。
2012年10月30日：岩手三ジ協の加盟市町村に、青森県の八戸市・種市町、宮城県の気仙沼市が加わり、「いわて三陸ジオパーク」は「三陸ジオパーク」に改称。これにより、より広範な地域を対象とするジオパークとなりました。
2013年4月1日：NHK連続テレビ小説「あまちゃん」の放送が開始。「あまちゃん」は、三陸地域の魅力を全国に発信する役割を果たしました。
2013年5月24日：陸中海岸国立公園に青森県内の種差海岸階上岳県立公園等2地区を編入し、三陸復興国立公園に改称。復興国立公園として新たなスタートを切りました。
2013年9月：岩手県が日本ジオパーク認定を目指し、「あまちゃん」を積極的に活用。三陸ジオパーク推進費を増額しました。
2013年9月24日：「三陸ジオパーク」が日本ジオパークとして認定されました。
2015年3月31日：南三陸金華山国定公園が三陸復興国立公園に編入され、公園の範囲が拡大しました。
2015年11月17日：ユネスコ世界ジオパークがユネスコの正式事業となりました。

主なジオサイト

三陸ジオパークには、多様な地質や地形を見ることができるジオサイトが多数存在します。

種差海岸 (青森県八戸市)：変化に富んだ海岸線が特徴。
久慈琥珀 (岩手県久慈市)：琥珀の産地として知られ、太古の歴史を感じることができます。
北山崎・鵜ノ巣断崖 (岩手県田野畑村)：高さ200メートルにも及ぶ断崖絶壁が圧巻。
龍泉洞・安家洞 (岩手県岩泉町)：神秘的な鍾乳洞が広がります。
浄土ヶ浜 (岩手県宮古市)：白い岩と青い海が織りなす美しい景観が魅力。
橋野鉄鉱山 (岩手県釜石市)：日本の近代製鉄の歴史を伝える遺跡です。
碁石海岸 (岩手県大船渡市)：碁石のような黒い岩が並ぶ海岸。
唐桑半島 (宮城県気仙沼市)：複雑な地形と豊かな自然が特徴の半島です。

構成自治体

三陸ジオパークは、以下の自治体で構成されています。

青森県：八戸市、階上町
岩手県：洋野町、久慈市、野田村、普代村、田野畑村、岩泉町、宮古市、山田町、大槌町、釜石市、住田町、大船渡市、陸前高田市
宮城県：気仙沼市

まとめ

三陸ジオパークは、地球の歴史と自然、そして人々の生活が深く結びついた地域です。東日本大震災の経験を踏まえ、災害に強く、持続可能な社会を目指すための活動が行われています。地質や地形の多様性、豊かな自然と文化は、訪れる人々に多くの学びと感動を与えてくれるでしょう。

外部リンク

三陸ジオパーク - 三陸ジオパーク推進協議会
* 三陸ジオパーク推進協議会 (@sanrikugeo48) - X（旧Twitter）

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