安念山治

安念山 治の生涯

安念山治（あんねんやま おさむ、1934年2月23日 - 2021年2月8日）は、北海道上川郡下川町出身の大相撲力士で、本名は安念治（あんねん おさむ）。最高位は東関脇であり、彼は相撲界に多くの功績を残した。

来歴

安念山は1934年に農家の五男として誕生し、下川町立下川中学校を卒業後、家業を手伝っていました。しかし、1949年に立浪部屋と羽黒山に触れ、相撲の道を選ぶ決意を固めました。1950年1月場所で初土俵を踏み、彼の四股名も本名から「安念山」に改名されました。

入門当初は勝利の見込みも薄く、八戦全敗という記録が残るなど苦しい状況でした。だが、身体能力の高さを生かし、まもなく番付に名前を載せることができました。その後、1953年9月には新十両昇進を果たし、翌年には新入幕となります。安念山は1957年5月場所で新小結として大きな活躍を見せ、幕内での自身の存在を確立しました。

栄光の瞬間

1957年5月場所では13勝2敗を記録し、その年の幕内最高優勝の栄冠を手にしました。若干23歳にしての快挙であり、彼の力士としての成長を象徴する出来事でした。この年、彼は年間最多勝争いにも名を連ねるほどの活躍を見せました。しかし、成績を不安視する意見もあったようです。

1960年の大関取りの際には注目される一方で、その期待に応えきれず、昇進を逃しました。それでも、安念山は数々の賞を受賞し続け、雷電賞は4度も獲得するなどの実績を残しました。彼と同時代の力士たちとの競争の中で、強固なファン層も築き上げました。

引退とその後の道

1965年に右膝を負傷したことから、安念山は引退を決意し、追手風の名跡を継承しました。引退後も相撲界に関与し、立浪部屋を受け継ぎ、昭和の相撲界の重鎮として名を馳せました。これにより、部屋の名跡を受け取る新たな態勢が築かれていきました。

複雑な後継者争い

彼の引退後、後継者に関しての問題が浮上しました。安念山は1959年に立浪部屋の長女と結婚し、その経緯も含めて後継者としての立場が強化されましたが、そこには若羽黒との激しい争いもありました。結局、安念山がその道を歩むこととなりました。

相撲界の変遷と苦戦

安念山が部屋の運営を始めた後、弟子たちを育成しつつも、彼自身の力士の勢いは次第に衰えました。また、双羽黒騒動など、内部問題が表面化し、アマチュア横綱の台頭に伴い、力士の継承や指導法など複雑な状況に直面しました。彼は部屋の再興に尽力し続けましたが、なかなか独自の道を築くことができませんでした。

晩年と功績

安念山治は2021年に86歳でこの世を去りました。彼の相撲への情熱や高度経済成長の波の中での活躍は多くのファンの記憶に残っています。生前、彼は若い力士たちを育て上げ、正しい相撲道を教えた師としても評価され続けるでしょう。相撲界での功績と人間性は、後世にわたって語り継がれることでしょう。

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