安曇追分駅

安曇追分駅：歴史と自然が交差する大糸線の駅

安曇野市の北部に位置する安曇追分駅は、JR東日本大糸線の駅です。駅番号は30番。周囲はのどかな田園風景が広がり、歴史を感じさせる木造駅舎が特徴です。駅名は「あずみ」ですが、安曇野市の「あづみ」とは表記が異なります。これは、大町市の安曇沓掛駅など、地域名に由来する駅名に共通する特徴です。

開業から現在までの歴史

1915年（大正4年）、信濃鉄道によりアルプス追分駅として開業しました。しかし、北アルプスの登山口と誤解され、下車する人が多かったことから、1919年（大正8年）に現在の安曇追分駅へ改称されました。「追分」という地名は、千国街道の池田通りと松川通りの分岐点に由来します。両街道はさらに北の大町市で合流しています。

開業当初は旅客駅でしたが、1926年（大正15年）には池田鉄道が乗り入れを開始。これは北池田駅までを結ぶ路線でした。しかし、池田鉄道は1938年（昭和13年）に廃止されています。信濃鉄道は1937年（昭和12年）に国有化され、大糸南線となりました。その後、1957年（昭和32年）には駅前の火災で駅舎の一部が焼損する事故もありました。1962年（昭和37年）に貨物輸送を廃止、1984年（昭和59年）には荷物扱いも廃止となり、1985年（昭和60年）には無人駅となりました。国鉄分割民営化（1987年）後はJR東日本の駅として現在に至ります。2020年からは窓口の営業時間が変更され、現在では午前7時から正午までの営業となっています。

駅構造と利用状況

安曇追分駅は、島式ホーム1面2線の地上駅です。駅舎とホームは構内踏切で連絡しており、木造駅舎の風情が今も残されています。豊科駅管理下の簡易委託駅となっており、安曇野市に駅業務が委託されています。ホームの東側にはかつてのホーム跡が残されていますが、池田鉄道の痕跡はほとんど見当たりません。

JR東日本によると、2023年度の1日平均乗車人員は約259人です。これは2000年度以降、比較的安定した利用状況を示しています。

駅周辺

駅の西側には農地が広がっており、出入口はありません。東側には小さな広場があり、そこから国道147号へ続く短い街路があります。かつては商店や宿が立ち並んでいたようですが、現在は住宅地が中心で、営業している商店は少ないようです。

駅周辺には、穂高川（別名：乳房川）や高瀬川が流れ、自然豊かな環境です。国道147号も近くを通っており、バス路線も整備されています。安曇追分駅前停留所からは、池田町営バスが安曇野市内のあづみ病院や穂高駅方面へ向かう路線が出ています。

隣の駅

大糸線は、上り方面は有明駅、下り方面は細野駅と隣接しています。快速列車も1本のみ停車します。

まとめ

安曇追分駅は、歴史と自然が織りなす静かな駅です。かつての賑わいも感じさせつつ、現代の落ち着いた雰囲気も持ち合わせています。安曇野を訪れる際には、ぜひ一度訪れてみてください。

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