安田屋旅館

安田屋旅館：歴史と文化が息づく湯の花温泉の宿

安田屋旅館は、静岡県沼津市内浦三津に位置する、湯の花温泉の温泉旅館です。創業は1887年（明治20年）で、「日本の宿を守る会」の会員宿でもあります。

歴史

創業当初は商人宿として営業していましたが、1918年（大正7年）に現在の場所で旅館として開業しました。木造建築の松棟（1918年築）と月棟（1931年築）は、国の登録有形文化財に登録されており、その趣のある佇まいが歴史を感じさせます。

対岳楼の由来

安田屋旅館は、「対岳楼　太宰治ゆかりの宿　安田屋旅館」とも呼ばれています。対岳楼の名前は、明治期の政治家、尾崎咢堂（尾崎行雄）がこの宿に宿泊した際、海に浮かぶ淡島とその対岸の間に富士山が一対の絵のように見える風景を「日本一の絶景」と称賛し、宿に名付けたことに由来します。

太宰治ゆかりの宿

1947年（昭和22年）2月上旬から約半月、太宰治が松棟2階の月見草の間（当時の部屋名は「松の弐」）に滞在し、『斜陽』の第1章と第2章を執筆しました。旅館の敷地内には、このことにちなんだ資料室兼記念館「伊豆文庫」が設けられています。太宰がこの宿に滞在したきっかけは、この地に疎開していた太宰の弟子、田中英光の紹介によるものとされています。旅館側は当初、太宰が宿泊していたことを知らなかったそうですが、翌1948年の太宰の死後、新聞記者が訪れたことで、太宰がこの宿に泊まっていたことが判明しました。

ラブライブ！サンシャイン!!の舞台

2015年から展開されているメディアミックス企画『ラブライブ!サンシャイン!!』では、主人公の高海千歌の実家の旅館「十千万（とちまん）」のモデルとして登場しています。これにより、聖地巡礼として旅館を訪れる観光客が増加し、入り口付近には作品関連のパネルやグッズを展示するスペースが設けられています。2018年4月1日には、エイプリルフール企画として、1日限定で旅館の看板が「十千万」に変更されました。

アクセス

東名沼津ICより車で30分
伊豆箱根鉄道駿豆線「伊豆長岡駅」よりバスで15分
東海道線「沼津駅」よりバスで35分

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安田屋旅館は、歴史と文化、そしてアニメの魅力が融合した、特別な温泉旅館です。ぜひ一度訪れて、その魅力を体感してください。

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