安祚永

安祚永（アン・チォヨン、안조영、An Choyoung、1979年9月25日 - ）は、韓国出身の囲碁棋士です。韓国棋院に所属しており、九段の段位を有しています。忠清南道礼山郡で生まれ、幼少期から囲碁に親しみ、独学でその腕を磨きました。彼の碁の特徴は、終盤での緻密な読みと、僅差を制する勝負強さにあり、「半目の帝王」という異名で広く知られています。

プロ入りと初期の活躍

安祚永は、1993年に世界青少年囲碁選手権大会の青年組で優勝という輝かしい実績を挙げ、同年、韓国棋院に入段しプロ棋士としてのキャリアをスタートさせました。その後、順調に昇段を重ね、1998年には五段に昇段。2005年には九段へと昇りつめ、トップ棋士としての地位を確立しました。

タイトル獲得と国際棋戦での活躍

安祚永は、国内棋戦だけでなく、国際棋戦でもその実力を発揮しています。2007年には、圓益杯十段戦で優勝し、初のタイトルを獲得しました。また、2010年にはBCカード杯世界囲碁選手権でベスト8に進出。この大会では、強豪である中国の棋士、古力を破るなど、その実力を世界に示しました。LG杯世界棋王戦でもベスト8に進出するなど、国際舞台での活躍が目立ちます。

その他の棋歴

国内棋戦においては、SKガス杯新鋭プロ十傑戦での優勝（1997年）、BCカード杯新人王戦での優勝（2004年）をはじめ、最高位戦、名人戦、覇王戦、棋聖戦などの挑戦者となるなど、数々のタイトル戦線で活躍しました。また、電子ランド杯王中王戦では、2006年に白虎部で優勝、2008年には準優勝を果たしています。

韓国囲碁リーグでも長年に渡り活躍し、複数のチームで主力として数々の勝利に貢献しました。2006年には江原ランド杯韓中囲碁対抗戦に韓国代表として出場し、3人抜きを達成するなど、その実力を遺憾なく発揮しています。

特筆すべき点

安祚永の特筆すべき点は、そのユニークな囲碁の学習方法です。彼は、独学で囲碁を習得し、新聞に掲載された棋譜を並べることで棋力を向上させたという異色の経歴の持ち主です。この独自の学習方法は、彼の碁のスタイルに大きな影響を与え、他の棋士にはない独特の感覚を形成したと言えるでしょう。

近年の活動

近年も、安祚永はプロ棋士として活躍を続けており、後進の指導にも力を入れています。その独自の視点と経験は、多くの棋士にとって貴重な学びの機会となっています。囲碁界における彼の貢献は、今後も長く語り継がれることでしょう。

タイトル歴

SKガス杯新鋭プロ十傑戦 1997年
BCカード杯新人王戦 2004年
圓益杯十段戦 2007年

国際棋戦

BCカード杯世界囲碁選手権 ベスト8 2010年
LG杯世界棋王戦 ベスト8 2010年、ベスト16 2013年
三星火災杯世界オープン戦 ベスト16 2000年
中韓新人王対抗戦 2004年 0-2
江原ランド杯韓中囲碁対抗戦 2006年 3-1

国内棋戦

SKガス杯新鋭プロ十傑戦 3位 1998年
最高位戦 挑戦者 1999年
名人戦 挑戦者 2002年
覇王戦 挑戦者 2002年
棋聖戦 挑戦者 2006年
電子ランド杯王中王戦白虎部優勝 2006年、白虎部準優勝 2008年
* 韓国囲碁リーグ 2004年から2013年まで複数回出場

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