安達久美

安達久美：ギターに情熱を注ぐ女性ギタリスト

安達久美（あだち くみ）は、1977年生まれ、大阪府貝塚市出身のギタリスト、作曲家です。幼少期に兄の影響でギターを始め、独自の音楽的才能を開花させました。彼女は、エレクトリックギター演奏をメインとする数少ない女性ギタリストとして、その高い演奏技術と個性的な音楽性で注目を集めています。

音楽への目覚めとアメリカ留学

11歳の時、兄が怪我をしたことがきっかけでギターに触れた安達。独学で練習を重ね、レッド・ツェッペリンなどの楽曲を耳コピーでマスターしました。13歳でライブハウスデビューを果たし、プロの道を志すようになります。

19歳でアメリカへ留学し、ロサンゼルスの音楽学校「ミュージシャンズ・インスティチュート」で1年間学びました。本場の音楽に触れ、自身の未熟さを痛感しながらも、貪欲に練習に打ち込みました。憧れのギタリスト、スコット・ヘンダーソンとの交流も、大きな刺激となりました。

プロとしての活動と挑戦

帰国後は、スタジオミュージシャンとして活動する傍ら、自身のバンド「SLICK」を結成。2002年には活動拠点を京都に移し、新たな音楽活動を展開します。2005年には、元T-SQUAREのドラマー、則竹裕之との双頭ユニット「安達久美クラブパンゲア」を結成し、アルバムをリリース。2012年には、ギタリストの梶原順とギターユニット「J&K」を結成し、海外のジャズフェスティバルにも出演するなど、活躍の場を広げています。

独自の音楽性と評価

安達久美の音楽は、ロック、ブルース、フュージョンなど、様々なジャンルの要素を取り入れた、独自のスタイルが特徴です。楽譜の読み書きが苦手な彼女は、自身の体験や感覚を元に作曲を行っています。幼少期に聞いただんじり祭りの太鼓や笛の音が、変拍子を取り入れるインスピレーションになっているというエピソードも。

その才能は高く評価されており、「女ジェフ・ベック」と称されることもあります。アメリカの楽器メーカー、ポール・リード・スミスから専用モデルを提供されるなど、国内外から注目を集めるギタリストです。

難病との闘い

2007年のメジャーデビューを機に、潰瘍性大腸炎という難病を患っていることを公表しました。腹痛や下痢などの症状を抱えながらも、絶食してライブに臨むなど、プロとしての責任を果たしています。闘病しながら音楽活動を続ける彼女の姿は、多くの人々に勇気を与えています。

多彩な活動

安達久美は、ライブ活動やアルバム制作の他、ギター教室を主宰し、後進の育成にも力を入れています。また、須藤満とのユニット「あだちみつる」でのライブも行うなど、多彩な活動を展開しています。

常に挑戦を続ける安達久美。彼女の情熱的なギタープレイと、音楽への真摯な姿勢は、これからも多くの人々を魅了していくことでしょう。

アルバム

リトル・ウィング（2007年）
ウィナーズ!（2008年）
* L.G.B.（2009年）

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