宋胡禄

宋胡禄（すんころく）とは

宋胡禄とは、タイのスコータイ県サワンカローク周辺で生産される陶器を指す言葉です。この名称は、産地である「サワンカローク」の音訳に由来します。当初は、素焼きの器に梨地の白化粧を施し、鉄絵で簡素な模様を描いたものが宋胡禄と呼ばれていました。

しかし、時代を経るにつれて、その意味は拡大し、タイで産出される焼き物全般を指すようになりました。この背景には、宋胡禄がタイの陶磁器産業を代表する存在となったことが挙げられます。

歴史

宋胡禄の歴史は13世紀に遡ります。ラームカムヘーン大王が中国から陶工を招き、陶器の生産に成功したことが始まりとされています。この技術導入により、タイ独自の陶磁器文化が花開くこととなりました。

14世紀から15世紀にかけては、宋胡禄は輸出用として盛んに生産され、中国の商人によって日本にもたらされました。日本においては、茶器として珍重され、茶道が普及し始めた戦国時代から、その魅力が注目されるようになりました。

特に、江戸時代には、茶人たちによって広く愛用され、その独特の風合いと趣は、茶の湯の世界で高い評価を得ました。宋胡禄は、単なる陶器としてだけでなく、文化的な価値も持つ工芸品として、今日までその名を知られています。

特徴

初期の宋胡禄は、梨地の白化粧と鉄絵が特徴であり、素朴で温かみのある雰囲気が魅力です。これらの特徴は、当時の陶工たちの技術と美意識を反映しており、その後のタイの陶磁器文化に大きな影響を与えました。また、宋胡禄は、タイの歴史と文化を語る上で欠かせない存在と言えるでしょう。

関連事項

• - サンカローク窯：宋胡禄が生産された窯。
• - シーサッチャナーライ郡：サワンカローク周辺の地域で、陶器生産が盛んな場所。
• - タイの華僑：宋胡禄の輸出や生産に深く関わった人々。

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