定住自立圏構想研究会

定住自立圏構想研究会について

定住自立圏構想研究会は、総務大臣が主催する私的な諮問機関です。研究会という名称ですが、その実態は行政運営上の会合、いわゆる懇談会に近いものです。この研究会は、地方からの人口流出、人材や医療機関の確保難、地域間交流の停滞といった問題に対処するため、都市と地方が互いに支え合う社会の実現に向けた具体的な方策を検討することを目的に設置されました。

研究会の背景と目的

地方では、人口減少に伴い、人材の不足や医療機関の維持が困難になりつつあります。また、地域間の交流が滞ることで、地域経済の活性化も阻害されるという悪循環が生じています。この状況を打破するために、人口5～10万人程度の市を中心とした圏域を「定住自立圏」と設定し、都市部と地方部がそれぞれの強みを活かしながら連携する、新たな社会モデルの構築が模索されました。研究会は、その具体的な方法について議論を行う場として、2008年1月21日に設置されました。

組織とメンバー

研究会の庶務は、総務省自治行政局市町村課が担当しました。座長には、学習院大学教授の佐々木毅氏が選出され、以下のメンバーが委員として参加しました。

大西隆（東京大学先端科学技術研究センター教授）
小田切徳美（明治大学教授）
梶井英治（自治医科大学地域医療センター教授）
桑野和泉（玉の湯代表取締役社長、湯布院温泉観光協会会長）
小西砂千夫（関西学院大学教授）
残間里江子（クリエイティブ・シニア代表取締役社長）
田中理沙（宣伝会議編集室長）
辻琢也（一橋大学大学院教授）
牧野光朗（長野県飯田市市長）
藻谷浩介（日本政策投資銀行地域振興部参事役）

これらのメンバーは、大学教授、自治体首長、民間企業の経営者など、様々な分野の専門家や実務家から構成されており、多角的な視点から議論が行われました。

研究会の開催状況

研究会は、以下の日程で会合が開催されました。

2008年1月21日：研究会の趣旨説明、運営要綱とスケジュールの確認、定住自立圏構想のイメージや地方圏の現状に関する説明
2008年2月14日：平成の大合併における市町村の動向と広域行政圏の現状に関する議論、複数の地域事例の紹介
2008年2月27日：都市と地方の地域間格差問題の提起、定住自立圏の有用性に関する考察

これらの会合を通じて、定住自立圏構想の具体的な内容や実現可能性について議論が重ねられました。

定住自立圏構想とは

定住自立圏構想は、人口5万人以上の「中心市」と、その周辺の市町村が連携して圏域を形成し、定住、自立、発展を目指す構想です。具体的には、中心市が病院や商業施設などの都市機能を整備し、周辺市町村が自然環境や食料生産を担い、互いに連携しながら圏域全体の利便性を高めていくことで、大都市への人口流出を防ぐことを目的としています。

総務省は、2009年1月時点で、中心市24市、周辺市町村3市3町（22圏域）を先行実施団体として発表し、2009年度内の協定締結を目指して、支援策などを検討しました。

高度定住自立圏

定住自立圏構想をさらに発展させたものとして、高度定住自立圏構想があります。この構想は、より広範囲な圏域での連携を目指し、より高度な都市機能や産業振興を促進することを目的としています。

先行実施団体

2009年3月31日時点で、24市・22圏域が先行実施団体として決定しました。これらの団体は、定住自立圏の形成に先行して取り組む意欲のある市町村で構成されています。

先行実施団体の決定に先立ち、応募があった団体の副市長等と意見交換が行われ、その結果を踏まえて選定が行われました。2009年4月30日までに、全ての先行実施団体において中心市宣言が行われ、本格的な取り組みが開始されました。

関連情報

総務省: 定住自立圏構想を推進する行政機関。
懇談会: 行政運営上の会合の一種で、意見交換や情報共有を行う場。

外部リンク

総務省の該当ページへのリンク'>定住自立圏構想研究会 - 総務省ホームページ内
* 定住自立圏構想情報

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