宝蓮院

宝蓮院（ほうれんいん）は、1721年に生まれ、1786年に亡くなった江戸時代中期の女性です。彼女は、田安徳川家の初代当主である徳川宗武の正室であり、公家である近衛家久の娘として生まれました。

幼名は知姫といいましたが、後に森姫、さらに通姫（通子）と改名しています。彼女は、その生涯において、徳川宗武との間に多くの子をもうけました。

1733年、宝蓮院は江戸城二の丸に入り、1735年に徳川宗武と結婚しました。夫婦の間には、誠姫、裕姫、小次郎、銕之助（英菊）、仲姫、徳川治察、節姫という7人の子女が誕生しました。しかし、裕姫、小次郎、銕之助（英菊）は夭折しており、誠姫は伊達重村との婚約が決まっていたものの、結婚前に亡くなっています。仲姫は池田重寛に嫁ぎ、徳川治察は田安徳川家の二代当主となり、節姫は毛利治親の正室となりました。

1771年、夫である徳川宗武が亡くなると、宝蓮院は落飾して宝蓮院（法蓮院）と号しました。彼女は1786年1月12日に66歳でその生涯を終え、寛永寺凌雲院に葬られました。

宝蓮院の生涯は、テレビドラマでも描かれており、1995年のNHK大河ドラマ『八代将軍吉宗』では、長谷川かずきが森姫役として演じました。また、2025年放送予定のNHK大河ドラマ『べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜』では、花總まりが宝蓮院を演じることが決定しています。

宝蓮院は、公家の血筋を引きながら、武家の妻として、そして母として、激動の時代を生き抜いた女性でした。彼女の人生は、当時の社会情勢や、大名家の複雑な人間関係を映し出す鏡とも言えるでしょう。

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