毛利治親

毛利治親：長州藩第八代藩主の生涯

毛利治親（もうり はるちか）は、江戸時代後期に活躍した大名であり、長州藩の第八代藩主として知られています。彼は毛利氏の22代当主であり、第七代藩主・毛利重就の四男として生まれました。

生い立ちと家督相続

宝暦4年（1754年）に江戸で生まれた治親は、四男でありながら嫡出子であったため、兄たちの早世により世子となります。明和5年（1768年）に元服し、従五位下・壱岐守に叙任。後に従四位下に叙任され、第十代将軍・徳川家治から偏諱を受け、初名の徳元から治元、そして治親へと改名しました。

短い藩主としての期間

天明2年（1782年）、父・重就の隠居に伴い家督を継ぎますが、実権は父が握ったままでした。寛政元年（1789年）に重就が亡くなった後も、わずか2年後の寛政3年（1791年）に治親自身も江戸で死去。38歳という若さでした。

在任期間が短かったため、治績はほとんど残っていません。しかし、彼の時代には、後の藩政を担う人材が育ちつつありました。跡は長男の斉房が継ぎました。

家族

父: 毛利重就（1725-1789）
母: 登代子（1732-1769） - 瑞泰院、立花貞俶次女
正室: 節（とき）子（1756-1815） - 邦媛院、田安宗武の五女
長女: 美喜（1778-1782）
次女: 多美（1781-1794） - 有馬頼端婚約者
側室: 清浦 - 明善院、小泉正利の娘
長男: 毛利斉房（1782-1809）
次男: 毛利斉熙（1784-1836） - 毛利斉房の養子
三男: 細川興昶（1785-1803） - 細川興徳の養子
五男: 毛利熙載（1786-1803） - 毛利房直の養子
側室: 花村（?-1790） - 宝池院、岡田氏
四男: 秀之助（1786-1787）
六男: 水野忠篤（1787-1816） - 水野忠韶の養子
三女: 三津（1790-1791）

墓所

山口県萩市椿の大照院に墓所があります。

偏諱を与えた人物

治親の時代には、以下の人物が偏諱を受けています（「親」の字は南北朝時代の毛利氏当主が代々使用した字に由来）。

毛利親著（実弟、子に第11代藩主斉元、孫に第13代藩主慶親（敬親））
毛利親頼（大野毛利家）
熊谷親貞（安芸熊谷氏）
佐世親長（益田就恭の実弟）
宍戸親朝（宍戸氏）
益田親愛（親賢）（問田益田氏、娘に吉敷毛利房謙正室、右田毛利房顕正室、阿川毛利房嘉正室がいる）

まとめ

毛利治親は、短期間ながらも長州藩の藩主を務めました。彼の治世は短いものでしたが、その後の藩政に繋がる重要な時期であったと言えるでしょう。

参考文献

* 時山弥八編『国立国会図書館デジタルコレクション 稿本もりのしげり』1916年

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