宮下富実夫

宮下富実夫 (みやした ふみお): 音楽家・ミュージックセラピスト

宮下富実夫は、1949年1月6日に長野県長野市に生まれた音楽家であり、ミュージックセラピストとしても知られています。彼はシンセサイザー奏者として音楽業界に名を馳せ、改名前の宮下文夫としても知られています。

音楽活動の始まり

宮下の音楽に対する情熱は1965年頃から芽生え、音楽家としてのキャリアをスタートさせました。全世界同時公演のミュージカル「ヘアー」に出演した後、プログレッシブ・ロック・バンド「ファー・イースト・ファミリー・バンド」を結成し、当時は喜多郎（高橋正則）もメンバーの一員として活動していました。このグループは、欧米ツアーやアルバムの世界発売など、国際的なスケールでの活動を展開しました。

1977年、宮下はアメリカに移住。そこでのツアー中に、腰の鍼治療を受けたことをきっかけに東洋医学に興味を持ち始めました。さらに、仏教や中国の五行説、インド哲学などの東洋哲学を学び、シンセサイザーを活用した音楽療法の研究に取り組むようになりました。

専門的な音楽療法の確立

帰国後、宮下は信州飯綱高原に「琵琶スタジオ」を設立し、本格的にヒーリング・ミュージックの制作を開始しました。彼はこれまでに多数のCDやビデオグラムをリリースし、その音楽は現在も有線のUSEN440で「ヒーリングミュージック・チャンネル」として配信されています。1991年には映画「天河伝説殺人事件」の音楽を谷川賢作と共同で担当しました。

全国各地での奉納演奏

宮下は全国各地の名所や神社において、多くのヒーリング・コンサートを行い、奉納演奏を通じて人々に癒しの音楽を届けました。伊勢神宮や善光寺、熊野速玉大社などでの演奏は特に有名です。このような活動を通じて、彼は日本の伝統と現代音楽を融合させ、新たな癒しの形を生み出しました。

映画音楽への貢献

宮下は映画音楽の分野でも多才な才能を発揮し、1988年のアニメ映画「風の又三郎・どんぐりと山猫」や1989年の映画「丹波哲郎の大霊界 死んだらどうなる」に音楽を提供しました。また、1990年には角川春樹監督の映画「天と地と」の音楽も担当しています。映画「火の鳥」シリーズでも主題歌や全般的な音楽を手掛け、多くの作品に深みを与えました。

主なディスコグラフィ

宮下は多岐にわたる音楽作品をリリースしています。主なアルバムには、「瞑想」、「やすらぎ」、「誕生」などがあり、また「火の鳥」シリーズのサウンドトラックも存在します。これらの作品は、瞑想や癒しをテーマにした内容で、多くのリスナーに親しまれています。

最期の時

彼の音楽への情熱は衰えることなく続きましたが、2003年2月6日に54歳で肺癌のため亡くなりました。彼の音楽は今も多くの人々に影響を与えており、ヒーリング・ミュージックの分野における先駆者としての評価は高いものがあります。彼の遺した音楽は、今でも心の癒しを求める人々に愛され続けています。

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