宮坂幸雄

宮坂幸雄九段：将棋界とチェス界の両面で活躍した棋士

宮坂幸雄九段は、1929年11月30日生まれの日本の将棋棋士です。1999年に引退するまで、長きに渡り将棋界で活躍しました。2002年には九段に昇段し、その功績は高く評価されています。

プロとしての歩み：順位戦での活躍とタイトル戦進出

宮坂九段は1955年、25歳でプロ棋士としてのキャリアをスタートさせました。若手時代から頭角を現し、1956年と1962年には東西対抗勝継戦で優勝、5人抜き、6人抜きという快挙を成し遂げています。

順位戦では、地道な努力を重ね、33歳という年齢でC級2組からC級1組へ昇級を果たしました。その後も着実に実力を伸ばし、1966年には自己最高のB級1組へ昇級。その後、一時降級するものの、1975年にはB級2組で1位となりB級1組へ復帰するなど、安定した成績を残しました。

タイトル戦にも積極的に挑戦し、1976年の王座戦ではベスト4に進出。準決勝で二上達也九段に敗れましたが、その実力を示しました。また、棋聖戦では本戦進出を果たし、1回戦で二上達也九段を破る活躍を見せています。1978年の王位戦予選では、リーグ入りを果たし、トップと並ぶ成績を残すなど、タイトル獲得への意欲を燃やしていました。

さらに、1984年の早指し将棋選手権では4回戦に進出するなど、様々な棋戦で活躍しました。晩年は、1997年の竜王戦5組昇級者決定戦決勝で、三浦弘行棋聖（当時）を破るなど、年齢を感じさせない活躍を見せていました。しかし、1998年には69歳で現役を引退することとなりました。

棋風と研究会

宮坂九段の棋風は、矢倉や矢倉模様を用いる居飛車党として知られています。当初は攻守のバランスのとれた棋風でしたが、キャリアを重ねるごとに、駒組みが完了する前から積極的に攻めに出る、駒損をいとわない大胆なスタイルへと変化していきました。

また、山田道美八段、関根茂九段、富沢幹雄八段らと研究会を結成し、将棋界における研究会の先駆者の一人として、後進の育成にも貢献しました。

チェスプレーヤーとしての功績

宮坂九段は、将棋のみならず、チェスでも高い才能を発揮しました。日本チェス協会発足後の最初の日本チャンピオンに輝き、その後も4連覇を達成するなど、チェス界でも大きな功績を残しています。将棋棋士としてチェスでも活躍した棋士は他に少なく、その多才ぶりは特筆に値します。

まとめ

宮坂幸雄九段は、将棋界において長年に渡り活躍した棋士です。順位戦での活躍、タイトル戦での好成績、そしてチェスでの4連覇と、その功績は多岐に渡ります。攻めの姿勢を貫き、後進の指導にも力を注いだ宮坂九段は、将棋界に大きな足跡を残した、真のレジェンドと言えるでしょう。

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