宮城村 (群馬県)

宮城村（みやぎむら）

宮城村は、1889年から2004年まで、群馬県の中央部、赤城山の南麓に位置した村です。2004年12月5日に、大胡町、粕川村とともに前橋市へ編入合併し、その歴史に幕を閉じました。

地理

村の地形は南北に細長く、面積は48.15平方キロメートル。村域の半分近くを赤城山の林野が占め、標高400メートル付近を境に、北側は急峻な山林地帯、南側はなだらかな傾斜地が広がり、農地や宅地が点在しています。関東平野を一望できる景観も特徴的です。

村民憲章・村旗

村民憲章（昭和60年10月1日制定）

1. 郷土を愛し、力を合わせ住みよい村をつくりましょう。
2. 健康で勤労を尊び、豊かな村をつくりましょう。
3. 自然を愛し環境をととのえ、きれいな村をつくりましょう。
4. 教育文化を高め、スポーツを愛好し、明るい村をつくりましょう。
5. 老人を大切にし、子供の未来をひらく、しあわせな村をつくりましょう。

村旗

ミヤギの「ミ」を図案化したもので、上の半円は無限に広がる大空と希望を、下の半円は赤城山麓に広がる村の大地を表現。中央の横棒は村の限りない発展を、全体の円は村民の和、協力、平和を象徴しています。

歴史

中世～近世

三夜沢村（現在の三夜沢町）は、古くから赤城神社の領地でした。

近世～現代

1889年：鼻毛石、市之関、柏倉、三夜沢、苗ヶ島、馬場、大前田の7つの村が合併し、宮城村が誕生。
1994年10月1日：勢多郡大胡町との境界を変更。
2004年12月5日：勢多郡大胡町、粕川村とともに前橋市へ編入合併。

行政

合併前の宮城村役場は、合併後、前橋市役所宮城支所となりました。

経済

産業

農業が中心で、特に畜産業が盛んでした。しかし、2001年には国内で3例目となる狂牛病感染牛が発見されるという出来事もありました。

地域

大字

宮城村は、合併前は「群馬県勢多郡宮城村大字〇〇」という住所表記でしたが、前橋市への合併後は「前橋市〇〇町」となりました。村には7つの大字があり、旧宮城地区の小学校校歌にも「七つの字から集まって」と歌われています。

鼻毛石町（はなげいしまち）
柏倉町（かしわぐらまち）
市之関町（いちのせきまち）
三夜沢町（みよさわまち）
苗ヶ島町（なえがしままち）
馬場町（ばばまち）
大前田町（おおまえたまち）

教育

宮城地区には小学校と中学校がそれぞれ1校ずつしかなく、小中一貫教育の形態となっていました。小規模な学校であるため、学年を超えて生徒同士の親交が深く、一方で、競争意識が育ちにくいという側面もあったようです。

前橋市立宮城小学校
前橋市立宮城中学校

隣接していた自治体

大胡町
粕川村
富士見村

交通

鉄道

宮城地区には鉄道は通っていません。しかし、宮城村時代には村民が通学などで上毛電鉄を利用していたため、村が財政支援を行っていました。

道路

一般国道：国道353号

道路整備により、宮城地区中心部から北関東自動車道伊勢崎ICまで20分弱でアクセスできるようになりました。

名所・旧跡・観光スポット・祭事・催事・公共施設

赤城神社
赤城温泉郷
ぐんまフラワーパーク
赤城高原牧場クローネンベルク（ドイツ村）
赤城南面千本桜

祭り

公共施設

前橋市宮城体育館
前橋市宮城総合運動場
宮城公民館

宮城村出身の有名人

大前田栄五郎（幕末の侠客）
東宮鉄男（陸軍大佐）

その他

村の中心部であり役場所在地でもあった大字鼻毛石（はなげいし）地区は、その珍しい地名で知られていました。この地名は、明治時代の合併以前の「鼻毛石村」に由来し、地元の鎮守である諏訪神社にある鼻の形に似た「鼻石」にちなんで名付けられたとされています。地元では「ハナガエシ」「ハナゲエシ」と訛って発音されていました。一部の人々からは嘲笑の対象となることもあり、合併を機に地名変更を求める声も上がりましたが、2003年の住民アンケートの結果、地名は変更されず、前橋市合併後も「鼻毛石町」として引き継がれています。

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