宮崎競馬場

宮崎競馬場の歴史と現状

宮崎競馬場は、1907年に設立された日本最南端の競馬場として知られています。その初開催は同年11月16日で、1周1600mのコースが整備されました。1937年以降、日本競馬会の傘下で年2回の競馬が行われていましたが、太平洋戦争の影響で1943年を最後に開催が中止されてしまいました。戦後は他の競馬場の復旧が優先され、宮崎競馬場は長い間閉鎖されたままとなりました。

1991年まで「開催休止中の競馬場」として扱われていたものの、日本の競馬法の改正により名称が「宮崎育成牧場」に変更されました。1956年からは抽籤馬育成事業が始まり、現在ではJRAによる育成馬の調教場として使用されています。

また、2007年には創設100周年を記念した競走が小倉競馬場で実施され、宮崎競馬の歴史を祝いました。

施設概要

ウインズ宮崎

宮崎育成牧場内にある会員制場外勝馬投票券発売所「ウインズ宮崎」は、2010年に「宮崎場外発売所」としてオープンしました。この施設はJRAの馬券を購入できる最南端のスポットで、元々は全国唯一の無料会員制場外馬券売場でしたが、2023年からは利用者登録制が解除され、利便性が向上しました。リニューアル工事を経て、全ての窓口でキャッシュレス投票が導入されました。

JRA宮崎育成牧場

宮崎育成牧場では、育成馬の管理や訓練が行われています。厩舎には20馬房が2棟あり、500mと1600mのダートトラックが調教馬場として設置されています。また、放牧地や採草地も整備され、育成馬の成長を促しています。特に有名な育成馬にはタムロチェリーやヨカヨカがあり、その記念碑も設けられています。

馬のいる公園

育成牧場内にある「馬のいる公園」では、一般に開放されたミニチュアホースとハーフリンガーが展示されています。ここには歴史的な一等馬見所も保存されていましたが、2019年に解体されました。馬車試乗会や体験乗馬など、来場者が楽しめるイベントも行われています。

地方競馬とその変遷

宮崎市には、戦前・戦後を通じて地方競馬場が存在していました。特に大正時代末期に建設された競馬場は、主に育成馬のレースを行っていました。しかし、1939年の法律により地方競馬は廃止され、戦後においても日本競馬会の競馬場を借用して公営競馬が行われましたが、1963年には出走馬不足により廃止されています。

アクセス

宮崎育成牧場へは、日豊本線の宮崎神宮駅から徒歩5分ほどの距離にあります。駐車場も約100台分完備されています。

宮崎競馬場は、かつての賑わいを失ったものの、今なお競馬の歴史を感じる施設として存続しています。育成馬たちの成長を見守りながら、競馬の新たな可能性を育てる場として機能しています。

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