ヨカヨカ

ヨカヨカ：九州の星が駆け抜けた軌跡

ヨカヨカ（Yoka Yoka）は、2018年5月13日生まれの日本の競走馬、そして現在は繁殖牝馬として新たな道を歩んでいます。熊本県生まれの彼女は、九州産馬というハンデを跳ね除け、数々の輝かしい成績を残しました。特に注目すべきは、1984年のグレード制導入後、熊本県産馬として初めてJRAの平地オープン特別競走（2020年フェニックス賞）と平地重賞競走（2021年北九州記念）を制覇したことです。さらに、JRA・GI競走への出走も果たし、熊本県産馬、ひいては九州産馬の歴史に新たな1ページを刻みました。馬名の由来は九州地方の方言で「いいよ、いいよ」という意味を持ち、その愛くるしい名前とは裏腹に、彼女は力強い走りで競馬ファンを魅了しました。

輝かしいデビューと成長

ヨカヨカの母であるハニーダンサーは、北海道浦河町の大島牧場で繋養された後、本田土寿氏によって九州へと移されました。姉にあたるローランダーも競走馬として活躍しており、2019年のひまわり賞で2着に入賞するなど、家族にはサラブレッドとしての素質が受け継がれていました。

2019年6月まで本田土寿牧場で育てられたヨカヨカは、九州1歳市場でJRAに340万円で落札。その後、JRA宮崎育成牧場に移り、育成期間を経て2020年のJRAブリーズアップセールで1122万円で岡浩二氏に落札されました。公開調教では抜群の調教タイムを記録し、大きな注目を集めました。

栗東トレーニングセンターの谷潔厩舎に入厩したヨカヨカは、2020年6月13日、阪神競馬場での1200m新馬戦でデビュー。スタートで出遅れながらも、驚異的な末脚で1番人気のモントライゼを差し切り、見事勝利を収めました。九州産馬が一般馬相手に新馬戦を制したのは、2017年のレグルドール以来3年ぶりという快挙でした。

続くフェニックス賞では、単勝オッズ1.4倍の1番人気に応え、好スタートから押し切り、見事連勝を飾りました。これは1984年のグレード制導入後、熊本県産馬が平地オープン競走を制した初の快挙となりました。

さらに、九州産馬限定のひまわり賞では、2歳牝馬としては異例の57kgという斤量を克服し、圧勝。2歳馬が57kgで勝利したのは、2005年のメイショウサムソン以来の快挙でした。これらの活躍により、翌年の桜花賞への出走の可能性も開けました。

秋シーズンはファンタジーステークスで5着、阪神ジュベナイルフィリーズでは5着と結果を残せませんでしたが、GI競走への出走を果たし、熊本県産馬として初のJRA・GI出走、九州産馬として初のGI掲示板確保という歴史的快挙を達成しました。

3歳シーズンと引退

3歳シーズンを迎えたヨカヨカは、桜花賞では17着と結果を残せませんでしたが、葵ステークスでは2着、北九州記念では見事優勝を果たしました。これは熊本産馬として初のJRA重賞制覇、九州産馬としても16年ぶりの快挙となりました。

しかし、スプリンターズステークスを目標に調整していた最中の9月22日、左第1指節種子骨を骨折。競走能力喪失と診断され、10月22日付けで競走馬登録を抹消されました。

繁殖牝馬として

競走馬としてのキャリアを終えたヨカヨカは、北海道新ひだか町のサンデーヒルズで繁殖牝馬としての生活を始めました。初年度の交配相手にはキズナが選ばれ、新たな才能の誕生が期待されています。2022年には『京都競馬場Presents アイドルホースオーディション2022』で4位を獲得し、ぬいぐるみも発売されるなど、引退後も多くのファンに愛され続けています。

血統背景

ヨカヨカの血統背景には、数々の活躍馬が名を連ねています。祖母ハニーバンの半妹には、2002年エリザベス女王杯勝ち馬のファインモーションがおり、母ハニーダンサーはファインモーションと非常に近しい配合となっています。また、ハニーバンの半弟には、ジャパンカップ、BCターフ、チャンピオンステークスなどの勝ち馬であるピルサドスキーがいます。これらの血統背景も、ヨカヨカの活躍を支えた要因と言えるでしょう。

ヨカヨカの物語は、競走馬としての華々しい活躍だけでなく、引退後も多くの人の心を掴み続ける、感動的な物語です。彼女の未来、そしてその子孫の活躍にも期待が高まります。

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