宮澤内閣 (改造)

宮澤改造内閣

宮澤改造内閣（みやざわかいぞうないかく）は、自由民主党総裁・衆議院議員の宮澤喜一が第78代内閣総理大臣に就任し、1992年12月12日から1993年8月9日まで存在した内閣です。この内閣は、宮澤内閣の改造形態として発足し、自由民主党が55年間続けた政権与党としての地位を維持していたものの、その後の総選挙で初めて下野する結果となりました。

内閣の構成と人事

宮澤改造内閣の発足時、国家の重要なポストには以下のような人事が任命されました。

• - 国務大臣：1992年12月12日任命。
• - 内閣官房副長官・内閣法制局長官：同日任命。
• - 政務次官：1992年12月26日任命。

これらの人事は内閣の運営において重要な役割を果たしました。

政治的背景

前の海部俊樹内閣は、リクルート事件を背景に政治不信が広がっていた状況で、選挙制度改革や政治資金規正法の改正を公約として掲げていました。しかし、実際には政治改革への動きは鈍く、内閣自身も退陣に追い込まれました。引き続き就任した宮澤内閣も政治改革を最重要課題としていましたが、与野党には現行の制度を維持しようとする態度が見られたため、進展は乏しいものでした。

特に内閣官房長官の河野洋平が婦人問題担当大臣を担うように指名された際、彼は女性である森山眞弓文部大臣に任せるべきだと固辞しました。しかし、宮澤首相の主張により河野がその役割を果たすこととなりました。これにより、女性の社会参加を推進する政策が内閣の一つの柱として位置づけられました。

政治改革の行く末

1992年8月、自民党副総裁の金丸信がヤミ献金事件で辞任し、これが政治改革の促進を求める世論の高まりに繋がりました。金丸が辞任した後、政治改革派の動きが強まり、自民党内でも派閥間の権力闘争が活発化しました。特に、羽田孜と呼ばれる政治改革の象徴的な議員が熱心に動いており、彼を中心に新しい派閥が形成されました。一方、従来の竹下派の影響力も依然として強く、改革への道のりは険しいものでした。

1993年3月6日に金丸が脱税容疑で逮捕されると、世論の圧力はますます強まり、与党内で政治改革案の決定が進められました。しかし、対峙する野党は提案してきた法案について反発する姿勢を見せ、両者の対立が深まる構図が見られました。

内閣不信任案と自民党の崩壊

宮澤内閣は、政治改革を進めることを約束しながらも、最終的には法案の提出も行えないことに終わります。これを受け、野党は内閣不信任決議案を提出し、これに従った造反議員が続出しました。結果、内閣不信任案は可決され、宮澤首相は衆議院を解散し、総選挙を決定しました。

その後の選挙で自由民主党は過半数を下回り、羽田派の一部が新生党を結成するなどして急速に崩壊していきます。7月20日、郵政大臣の小泉純一郎が即時総辞職を求める中、宮澤は自らの後任に河野洋平を選び、最終的には宮澤改造内閣は解散を迎えることになりました。

主な出来事

この改造内閣時代の重要な出来事には以下が含まれます。

• - 皇太子徳仁親王と小和田雅子の成婚の儀（1993年6月9日）
• - 日本・東京都での第19回先進国首脳会議（1993年7月7日-9日）
• - 北海道南西沖地震（1993年7月12日）

このように、宮澤改造内閣は日本の政治状況に影響を与えつつ、政治改革の流れの中でその幕を閉じました。

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