宮田輝

宮田 輝（みやた てる）

宮田 輝（1921年12月25日 - 1990年7月15日）は、日本のアナウンサー、政治家として知られる人物です。本名は宮田 輝（みやた あきら）で、東京都足立区に生まれ、明治大学専門部商科を卒業後の1942年にNHKに入局しました。特に、芸能番組向けのアナウンサーとして名を馳せ、参議院議員としても3期在任したことが彼の人生の大きな特徴です。

経歴

宮田はNHKに入局すると、多くの著名なアナウンサーとともに活動を始めました。1949年からは『のど自慢素人演芸会』、現在の『NHKのど自慢』にて司会を担当し、その後も『三つの歌』や『NHK紅白歌合戦』など、様々な人気番組に出演しました。特に、紅白歌合戦では1953年から1973年までの間に15回も司会を務め、この分野における最多記録を持っています。

1966年からは、郷土文化を紹介する『ふるさとの歌まつり』を企画・司会し、全国各地の独自文化の保存に寄与しました。番組冒頭の「おばんでございます!!」という挨拶は流行語となり、スタッフとゲストとの温かい関係を築く姿勢が多くの視聴者に愛されました。宮田はこの番組での功績が認められ、1970年には第15回菊池寛賞を受賞しています。

1974年にはNHKを退職し、自民党から参議院選挙に立候補しトップ当選を果たしました。その後も当選を重ね、1978年には農林水産政務次官に就任し、政治家としての道を進みました。退職後もフリーアナウンサーとして様々な番組に出演し、特に民放テレビ局での活動も積極的に行っていました。

エピソード

宮田は1960年代後半に家庭用VTRを活用し、NHKでの自身の番組を録画・保存した先駆者でした。NHKではアーカイブされなかった番組の映像を多数提供し、彼のVTR収録は放送史に大きな影響を与えました。また、ビートルズが出演したテレビ番組『われらの世界』の進行役も務めており、国際的な顔を持つ日本のアナウンサーとして知られています。

紅白歌合戦では、初めて女性の紅組司会者を担った男性ということでも注目を浴び、当時の視聴者からは独特の野次を受けることもありました。そのため、以降男性が紅組の司会を務めることは長い間なかったと言われています。演出の自由度が高かった時期であり、アドリブを交えた進行が求められる場面でも、宮田はその的確な判断力で魅了していました。

1990年、参議院議員在任中に病を患い、ながらも車椅子で議会に出席する姿勢を見せましたが、同年7月15日に東京都の慶應義塾大学病院で亡くなりました。68歳での死去の際には、勲二等旭日重光章が追贈され、正四位にも叙されました。彼の死後、社会からの哀悼の意が寄せられ、議会では特別な演説が行われました。

主な出演番組

• - のど自慢素人演芸会（1949年 - 1966年）
• - NHK紅白歌合戦（1953年 - 1973年の間に各種司会）
• - ふるさとの歌まつり（1966年 - 1984年）
• - われらの世界（1967年）

彼の実績と貢献は、現在の日本のアナウンス界や政治界にも色濃く影響を与え続けています。宮田輝の存在は、日本のメディアと政治の橋渡しをした偉大な業績として後世に語り継がれています。

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