宮脇倫

宮脇倫（みやわき りん / ひとし）

プロフィール

宮脇倫は、1904年（明治37年）3月5日に生まれ、1963年（昭和38年）3月28日に没した、日本の内務・警察官僚です。長野県下伊那郡上郷村（現在の飯田市）出身で、最後の官選埼玉県知事を務めたことでも知られています。彼の長男は元皇宮警察本部長で元内閣広報官の宮脇磊介、孫は日本フェンシング協会元専務理事の宮脇信介、曽孫はフェンシング選手の宮脇花綸と、一族は多方面で活躍しています。

経歴

宮脇倫は、長野県下伊那郡上郷村で宮脇金一郎の次男として誕生しました。第一高等学校を卒業後、1926年12月に高等試験行政科試験に合格し、1927年に東京帝国大学法学部政治学科を卒業しました。その後、内務省に入省し、警視庁に配属されました。

警察官僚としてのキャリアは多岐にわたり、神田万世橋警察署長、三田警察署長、久松警察署長、警視庁特別警備隊長などを歴任しました。その後、新潟県商工水産課長、兵庫県警察部経済保安課長、石川県学務部長、秋田県内務部長兼秋田県警察部長、茨城県内務部長、厚生省国民保険課長、同錬成体練課長などを務めました。

1947年3月には、西村実造の後任として埼玉県知事に就任しましたが、同年4月には退任し、公職追放となりました。

公職追放後は、帝都高速度交通営団理事に就任し、その他にも埼玉県監査委員、埼玉県建築審査会委員、全日本不動産協会理事、人口と産業問題振興会理事などを務め、多方面で活躍しました。

家族

宮脇家の家族構成は以下の通りです。

父：宮脇金一郎（生年不明）。長野県師範学校卒で、上郷東小学校（現：飯田市立上郷小学校）の元校長。
母：宮脇千春（1877年1月2日生）。長野県師範学校女子部卒で、児島直吉の長女。甥に三宜亭本館元社長の児島栄次。
妻：宮脇薫（1908年5月10日生）。長野町立長野高等女学校（現：長野県長野西高等学校）卒。父は長野県須坂中学校（現：長野県須坂高等学校）校長や岩村田町立岩村田高等女学校（現：長野県岩村田高等学校）校長を務めた岩崎長思。
長男：宮脇磊介（1932年1月2日生）。東京大学法学部卒。警察官僚で、元皇宮警察本部長、元内閣広報官。
長男の妻：宮脇邦子（1935年10月12日生）。日本女子大学卒。父は鉄道建設興業（現：鉄建建設）社長を務めた稲葉通彦。母は小岩井兼光の四女・かつろ。祖父は奈良女子高等師範学校名誉教授の稲葉彦六。曽祖父は剣術家で茨城師範学校撃剣部（剣道部）師範の松島茂承。
長女：宮脇貞子（1933年9月17日生）。お茶の水女子大学英文科卒。
長女の夫：青木淳（1927年4月12日生）。東京大学法学部卒。古河電気工業元総務部長、日本製箔（現：UACJ製箔）元常務取締役。
次男：宮脇誠（1934年10月16日生）。中央大学法学部卒。佐藤工業元勤務。
次女：宮脇慶子（1940年3月4日生）。東京女子大学英文科卒。
次女の夫：松田一敏（1934年7月12日生）。東京大学工学部卒。日本鋼管（現：JFEスチール）元専務。
三女：宮脇千恵子（1942年1月13日生）。学習院大学国文科卒。
三女の夫：中村雄一（1939年2月20日生）。学習院大学理学部卒。山武ハネウエル（現：アズビル）元勤務。子爵加納久朗の孫で、サンウエーブ工業社長などを務めた中村久次の長男。第82・83代内閣総理大臣を務めた橋本龍太郎の妻・橋本久美子の兄。

参考文献

人事興信録 編『人事興信録 第21版 下』人事興信所、1961年。
人事興信所 編『人事興信録 第34版 下』人事興信所、1987年。
歴代知事編纂会編『新編日本の歴代知事』歴代知事編纂会、1991年。
秦郁彦編『日本官僚制総合事典：1868 - 2000』東京大学出版会、2001年。
* 『「現代物故者事典」総索引 : 昭和元年～平成23年 1 (政治・経済・社会篇)』日外アソシエーツ株式会社、2012年。

宮脇倫は、激動の時代を生き抜き、多岐にわたる分野でその才能を発揮した人物でした。彼の生涯と業績は、日本の近代史を語る上で重要な要素の一つと言えるでしょう。

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