宮﨑一彰

宮﨑一彰（みやざき かずあき）氏の経歴

高知県四万十市に生まれ、野球、そして競輪の世界でキャリアを築いた宮﨑一彰氏の軌跡をたどります。彼はプロ野球選手として読売ジャイアンツ、西武ライオンズに在籍し、その後は自転車競技である競輪の世界へと転身するという、稀有なキャリアを歩んでいます。現在は日本競輪選手会高知支部に所属し、現役の競輪選手として活躍中です。

アマチュア時代の歩み

明徳義塾高校時代には、2年生時に夏の甲子園に出場。高校野球史に残る「松井秀喜5打席連続敬遠」の試合でもベンチ入りメンバーでした。法政大学に進学し、4年時にはレギュラーとして活躍。秋季リーグではベストナインに輝き、明治神宮野球大会で準優勝を経験しますが、ドラフト指名はありませんでした。大学卒業後、社会人野球のいすゞ自動車に入ったものの、半年足らずで退社します。

独立リーグからプロ入りへ

1999年、社会人野球を離れた宮﨑氏はアメリカ独立リーグ、ノーザンリーグのアディロンダック・ランバージャックスに入団。異国の地でレギュラーとしてプレーし、その年の新人賞を獲得するなど頭角を現しました。この活躍が日本のプロ球団の注目を集め、読売ジャイアンツが入団テストを実施。テストを経て、同年のドラフト会議で7位指名を受け、念願のプロ入りを果たしました。

プロ野球でのキャリア

巨人では主に二塁手でしたが、二軍ではショート、サード、外野と多様なポジションを経験し、そのユーティリティー性が期待されました。2000年にはフレッシュオールスターゲームに出場。俊足を生かしたプレーを目指しましたが、盗塁はプロ入り後苦労しました。2003年オフに戦力外となり、西武ライオンズへ移籍。西武でも内野手としてプレーしましたが、2006年オフに再び戦力外通告を受け、プロ野球界を退くこととなりました。その後、2008年には四国・九州アイランドリーグの高知ファイティングドッグスで、リーグ初の選手兼任コーチを務めましたが、選手としては1試合の出場にとどまり、シーズン終了後に退団しました。

競輪選手への挑戦

プロ野球引退後、新たな道として競輪を選択しました。西武時代に初めて競輪を観戦した経験や、アイランドリーグ時代に知人を介して競輪選手と交流を持ったことが転機となります。高知の競輪選手である野本博俊氏に師事し、競輪選手養成のための厳しい訓練に励みました。2009年7月、日本競輪学校の適性試験に合格し、同年11月に入学。翌2010年10月に卒業し、11月1日付で競輪選手として登録されました。プロデビューは2011年1月12日、高知競輪場。デビュー戦は8着でしたが、翌日同じ高知競輪場でプロ初勝利を飾りました。

野球選手としての特徴とスタイル

宮﨑氏の野球選手としての持ち味は、小柄な体格を活かした俊足と、どんな状況でも全力を尽くすファイト溢れるプレーでした。特に、内外野のほぼ全てのポジションを守ることができる、極めて高いユーティリティー性は彼の大きな強みであり、チームにとって貴重な存在でした。

その他の活動

競輪選手として活動する一方、一時期は高知県の軟式野球チーム、ミタニ建設工業にも所属。背番号は26でした。2013年10月のデビュー戦では、初打席で安打を記録するなど、野球への情熱も持ち続けていました。

プロ野球における主な記録等

初出場・初安打: 2000年9月27日、対ヤクルト戦で代打出場し、初打席で初安打を記録。
初先発出場: 2002年8月7日、対横浜戦で「8番・二塁手」として。
初打点: 2002年8月18日、対中日戦で記録。
初盗塁: 2003年5月4日、対広島戦で記録。
背番号: 巨人時代は「88」「60」、西武時代は「43」。
NPB登録名: 2000年は「宮崎 一彰」、2001年以降は「宮﨑 一彰」。

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