1987年3月5日、キャニオン・
レコードより発売された
おニャン子クラブのベストアルバム『家宝』。このアルバムは、80年代後半を席巻した
アイドルグループ、
おニャン子クラブとその関連アーティストの楽曲を集成した、まさに“家宝”と呼ぶにふさわしい1枚です。
オムニバス形式とCD独自企画
『家宝』は、
おニャン子クラブ名義ながら、オムニバス的な構成が特徴です。
おニャン子クラブの楽曲はもちろんのこと、メンバー個々のソロ活動や派生ユニットの楽曲も収録されており、キャニオン・
レコード以外からリリースされた作品も含まれています。これは、当時としては珍しい試みであり、CDという新しい媒体への移行期を反映した企画と言えるでしょう。
LP、カセットテープが主流だった時代からCDへの移行期に位置するこの作品は、CD独自企画としてリリースされました。ミュージックカセットテープや
8トラックでは
ポニーキャニオンのみのリリース作品は数多くありましたが、CDでの発売で
ポニーキャニオン専売という形のアルバムは、
おニャン子クラブにおいて初であり、当時としては非常に珍しい取り組みでした。
収録内容:シングルA面曲の完全網羅と初収録楽曲
『家宝』には、
1987年2月リリースのスタジオアルバム『
SIDE LINE』には未収録だった「
NO MORE 恋愛ごっこ」を含む、発売時点までの
おニャン子クラブ名義のシングルA面曲が全て収録されています。これは、グループの代表的な楽曲を網羅した、ファン必携のアルバムと言えるでしょう。
他のベストアルバムにも収録曲が重複していることから、廉価盤や復刻版のCDは制作されていません。このため、『家宝』は、当時の楽曲を網羅した貴重なアルバムとして、その価値を高めています。
パッケージと特典:こだわりのデザインと充実の付属物
CDジャケットは、
おニャン子クラブ関連の様々なアナログ
レコードジャケットがデザインされた、ファンにはたまらない仕様となっています。ジャケットには、収録楽曲に関するエピソードなども記載されており、細部までこだわった作り込みが感じられます。さらに、
おニャン子クラブ発表曲リストや告知ポスター、グラフィティがパッケージ内に封入されており、コレクター心をくすぐる特典も用意されています。
収録曲の多様性:メンバー個々の魅力とグループの結束
収録曲は、
おニャン子クラブとして活動した楽曲に加え、
国生さゆり、
河合その子、
新田恵利といった人気メンバーのソロ楽曲、さらに
うしろゆびさされ組、
ニャンギラスといった派生ユニットの楽曲も網羅しています。それぞれのメンバーの個性と才能が際立つ楽曲群は、
おニャン子クラブというグループの幅広さと魅力を余すことなく表現しています。
関連作品との比較と『家宝』の独自性
他の関連作品である『
おニャン子クラブA面コレクション』『
おニャン子クラブ大全集』『
30-35 VOL.3 「おニャン子クラブ」特集』、『
おニャン子クラブ大全集 for HiQualityCD 上・下巻 限定CD-BOX(HQCD)』と比較しても、『家宝』は、CD独自企画という点、収録楽曲の選定、そしてパッケージデザインにおいて、他作品にはない独自の魅力を有しています。これらの作品と比較することで、『家宝』の希少性と価値を再認識できるでしょう。
まとめ:時代を超えて愛される名盤
『家宝』は、単なるベストアルバムの枠を超え、80年代後半の音楽シーン、そして
おニャン子クラブという
アイドルグループの歴史を凝縮した、貴重な作品と言えるでしょう。その希少性、充実した内容、そしてこだわりのパッケージデザインは、多くのファンを魅了し続けています。今でも、当時の音楽ファンにとって、そして
アイドル史において、重要な作品として記憶され続けています。