家畜保健衛生所
家畜保健衛生所とは
家畜保健衛生所（かちくほけんえいせいじょ、略称：家保〔かほ〕）は、食の安全確保や畜産業の発展を支えるために、家畜衛生の向上に取り組む公的機関です。これは、家畜保健衛生所法に基づいて各都道府県に設置されている機関です。主な職員には所長を含む「家畜防疫員」がおり、これらの職員は各都道府県知事から獣医師免許を持つ者の中から任命されます。また、事務職員や検査専門職などもおり、庶務業務や検査に従事しています。
業務内容
家畜保健衛生所は、以下の業務を行っています：
1. 家畜衛生の向上：家畜衛生に関する情報を集め、提供し、技術や知識を普及させる指導を行います。
2. 家畜の生産性の向上：家畜の生産性を高めるために、畜産物の品質及び安全性の向上に寄与します。
3. 保健衛生上必要な試験・調査・検査：家畜の健康状態を管理するために必要な検査や調査を実施します。
4. 家畜伝染病の予防：農林水産大臣指定の伝染病を防ぐための診断業務が含まれます。
5. 防疫措置：伝染病が発生した際には、そのまん延を防ぐための消毒や殺処分などの措置を取ります。
6. 病性鑑定：病理解剖や病原体の分離・同定、血液の生化学分析などを行います。
7. その他の業務：飼育動物診療施設に関する相談受理や、動物用医薬品の製造・販売に関する許可の手続きなどが含まれます。また、開業獣医師や家畜人工授精師が不在な地域への支援も行っています。
家畜から動物全般へ
近年では、全国的に畜産農家の数や家畜の飼養頭数が減少していることから、家畜保健衛生所の業務の幅を広げる必要性が生まれてきました。従来、畜産農家を主な対象として業務を行っていましたが、一般市民やペットの飼い主からの認知度はあまり高くありませんでした。家畜保健衛生所は動物の病気を診断する唯一の地方公的機関であり、BSEや口蹄疫、高病原性鳥インフルエンザの発生を受け、検査業務依頼が増えてきています。
特に、野生動物や飼育動物の病気についての相談も増加しています。近頃は、ミニブタなどの新しいペットに対する疾病についても多くの問い合わせがあります。これにより、家畜だけでなく、幅広い動物種に対応した業務が求められるようになっています。教職員や動物園で飼育される動物も、時には監視対象となり、一般市民からの問い合わせにも対応しています。
根拠法令
家畜保健衛生所は、以下の法令に基づいて運営されています：
関連項目
外部リンク
以上のように、家畜保健衛生所は家畜衛生全般を担う重要な機関であり、食の安全や畜産業の発展に寄与しています。
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