宿命の女

「宿命の女」（Femme Fatale）

「宿命の女」は、1966年にヴェルヴェット・アンダーグラウンドとニコのコラボレーションによって生まれた楽曲で、原題は「Femme Fatale」です。この楽曲は、特にルー・リードが作詞作曲を手掛けており、彼の独自の視点が色濃く反映されています。

制作の背景

1966年の4月、アンディ・ウォーホルのプロデュースのもと、ニューヨークにあるセプター・スタジオでこの曲のレコーディングが行われました。その年の12月には、シングル「日曜の朝」のB面に収録されることになり、聴衆に初めて披露されました。「日曜の朝」のプロデューサーにはトム・ウィルソンが名を連ねています。

翌1967年3月12日には、バンドのデビューアルバムである『ヴェルヴェット・アンダーグラウンド・アンド・ニコ』にこの楽曲が収められ、広く知られるようになりました。

ライブパフォーマンス

1972年1月29日、ルー・リード、ジョン・ケイル、ニコの三人はパリのバタクラン劇場でコンサートを行い、そこで「宿命の女」を演奏しました。このパフォーマンスは非常に注目を集め、2004年には『Le Bataclan '72』というタイトルでCDとして公式にリリースされました。ライブの迫力と、当時の彼らの表現力を感じることができる貴重な資料となっています。

主な演奏者

この楽曲に関与した主なメンバーは以下の通りです：

• - ニコ：リード・ボーカルを担当し、その神秘的な声が曲の印象を強くしています。
• - ルー・リード：ギターやバッキング・ボーカルを担当し、作詞作曲も手掛けています。
• - ジョン・ケイル：ベースとピアノを担当し、音楽的な深みを加えています。
• - スターリング・モリソン：ギターとバッキング・ボーカルでサウンドを支えています。
• - モーリン・タッカー：スネア・ドラムやタンバリンを使ってリズムを作り上げています。

カバー・バージョン

「宿命の女」は多くのアーティストによってカバーされており、その影響力の強さを物語っています。以下は代表的なカバーアーティストと収録アルバムです：

• - トレイシー・ソーン：1982年のアルバム『A Distant Shore』に収録。
• - R.E.M.：1986年、12インチ・シングル「Superman」に収録され、後にコンピレーション・アルバム『Dead Letter Office』にも収められました。
• - トム・トム・クラブ：1988年のアルバム『Boom Boom Chi Boom Boom』に収録。
• - デュラン・デュラン：1993年のセルフタイトルアルバムに収録。
• - プロパガンダ：2002年のコンピレーション・アルバム『Outside World』に収録。
• - エミリー・シモン：2003年のアルバム『Émilie Simon』のボーナス・トラックに収録。
• - エルヴィス・コステロ：2009年の『Secret, Profane & Sugarcane』のボーナス・トラックとしても収録されています。

このように、「宿命の女」は時代を超えて多くのアーティストに影響を与え、音楽の歴史において不朽の名作となっています。

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