密蔵院 (世田谷区)

密蔵院の紹介

東京都世田谷区桜上水に位置する密蔵院（みつぞういん）は、真言宗豊山派に属する仏教寺院です。本寺院は「幽谿山密蔵院観音寺」との名称でも知られており、護国寺の末寺であることからもその歴史的な背景が伺えます。密蔵院は、玉川八十八ヶ所霊場の45番札所としても有名です。

本尊

密蔵院の本尊は不動明王立像であり、1782年（宝暦12年）に安置されたとされています。この仏像は、厄除けや護身の神として多くの信仰を集めています。

歴史

密蔵院の起源は、下野国都賀郡水代村の城主であった榎本重泰とその子息、氏重の活動にさかのぼります。彼らは1580年（天正8年）に世田谷に居を構え、当地の地頭である吉良氏の家人、鈴木（穂積）重貞と親しくなります。

また、1580年代には都賀郡の僧・頼慶が訪れ、鈴木重貞が彼に帰依します。その後、1598年（慶長3年）に重貞の養子である但馬定宗が一寺を創建し、頼慶を住職に迎えたことで密蔵院が開基されたと伝えられています。江戸時代まで、勝利八幡神社の別当寺でもあった歴史があります。

1875年（明治8年）には近隣の安楽寺を合併し、現在の形となりました。このように密蔵院は、地域の信仰の中心として長い歴史を刻んできた寺院です。

本堂・伽藍

密蔵院の本堂は1744年（延享元年）に建立され、その内部には不動明王立像の他に、矜羯羅童子、制吒迦童子、阿弥陀如来坐像、胎蔵界大日如来坐像、聖天立像、地蔵菩薩半跏像などの仏像が安置されています。また、観音堂には百体の観世音菩薩が祀られるなど、多彩な仏教の要素が集約されています。

年号を示す資料も多く保存されており、板碑の中には1278年から1288年のものや江戸時代のものが確認されています。特に万治3年（1660年）、寛文10年、享保3年（1718年）、元禄3年（1690年）などの石造遺物は、密蔵院の歴史的重要性を示しています。

また、庭園にはイロハモミジの古木があり、紅葉の季節には多くの観光客や信者が訪れる名物スポットとなっています。もみじの美しさは、秋の風情を味わう絶好の場であると言えます。

交通アクセスと所在地

密蔵院は東京都世田谷区桜上水2-24-6に位置しています。最寄り駅は京王線の桜上水駅で、駅からは徒歩約11分ほどで到着します。このようなアクセス面も、訪れる人々にとって魅力の一つです。

関連項目

密蔵院に関する文献や史料も多く存在し、世田谷区教育委員会が発行した調査報告書などが参考になります。日本の寺院一覧や関連する文化財についての研究も進められており、密蔵院は地域に根付いた信仰の場として邁進しています。

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