富士シティオ

富士シティオ株式会社：地域に根ざしたスーパーマーケットチェーンの歩み

富士シティオ株式会社は、神奈川県と東京都で「Fuji」と「デリド」のブランド名でスーパーマーケットを展開する企業です。2023年現在、46店舗を運営し、海外ではタイのバンコクに4店舗の「UFM Fuji Super」を展開しています。四国・中国地方で「フジ」を展開する同名の企業とは一切資本関係がありません。

地域密着と独自の戦略

横浜市に本社を置く富士シティオは、2004年度には神奈川県で売上高第2位を記録するなど、県内有数のスーパーマーケットチェーンとして成長を遂げました。常に地域ニーズを重視した品揃えを心がけ、大手スーパーやボランタリーチェーンに属さず、独自のプライベートブランド商品の開発や、独自のルートによる輸入商品の調達など、独自の戦略を展開してきました。

2000年代に入り、GMS（総合スーパー）に近い大型店舗の整理縮小を進めることで、売上高は減少したものの、利益率の改善に成功しました。この戦略転換は、時代の変化に柔軟に対応し、より効率的な経営を目指す富士シティオの姿勢を示すものです。

新業態「デリド」とTカード連携

2003年には、新たな業態として惣菜や弁当を主体とするフードストア「デリド」をオープンしました。多摩美術大学とのコラボレーションにより、店舗デザインや制服など細部までこだわった、独自のブランドイメージを確立しています。

2007年には、食品スーパーとして初めてTカードを導入し、顧客へのポイントサービスを開始しました。オリエントコーポレーションと提携し、発行していた「Tカードプラス」は2024年2月29日をもって新規入会受付を終了しましたが、モバイルTカードやTマネーの取り扱い開始(2022年2月14日)など、顧客利便性の向上に向けた取り組みを継続しています。また、2024年3月1日からは、決済方法に関わらずTポイントが付与されるようになります。

多様な事業展開と歴史

富士シティオの歴史は、1952年、東京都品川区で創業した荏原屋食料品店にまで遡ります。1965年には富士殖産株式会社を設立し、横浜市港南区に「富士スーパー」1号店をオープンしました。その後、コンビニエンスストアのスリーエフ（1979年創業）や、輸入商社の株式会社フィスコ、海外展開のためのUFM FUJI SUPER CO., LTD.（1985年設立）など、多角的な事業展開を図ってきました。

1991年には、社名を富士シティオ株式会社に変更し、さらに事業の多様化を進めてきました。カルチュア・コンビニエンス・クラブと提携してTSUTAYAの運営なども行っていましたが、現在ではスーパーマーケット事業を中心に展開しています。2008年にはニチリウグループに加盟し、更なる事業強化を図っています。

グループ企業と過去の店舗

富士シティオグループには、旅行・保険代理店の株式会社フジツアーインターナショナル、不動産管理の富士殖産株式会社、警備・広告・清掃事業などを手掛ける株式会社フジアートなど、多様な企業が含まれています。過去には、神奈川県や東京都に多くの店舗を展開していましたが、現在では公式サイトの店舗一覧に掲載されている店舗が営業しています。

未来への展望

富士シティオは、創業以来、地域社会に貢献し、独自の戦略で成長を続けてきました。これからも地域密着型の経営を続けながら、新たな挑戦を続け、顧客満足度の向上に努めていくことが期待されます。

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