富谷バイパス

富谷バイパスの概要

富谷バイパスは、宮城県富谷市内に位置する、国道4号と国道47号のバイパス道路です。このバイパスは、富谷市内の交通渋滞を緩和し、円滑な交通の流れを確保するために建設されました。

起点は富谷市役所入口付近の富谷仏所で、終点は富谷市三の関となっています。全長は1.2kmで、4車線（片側2車線）で構成されています。

宮城県庁の資料では、富谷バイパスの全長は2.8kmとされていますが、これはおそらく関連する区間を含めた長さを示していると考えられます。

歴史的背景

富谷バイパスの建設には、この地域の歴史的な道路網の変遷が深く関わっています。古代には、東山道や東街道が仙台平野東部を南北に走っていました。しかし、1601年に伊達政宗が仙台城と城下町の建設を開始すると、これらの街道は城下町を通るように変更され、「奥州街道（松前道）」となりました。

この変更により、仙台以北のルートも大きく変わり、奥州街道は現在の富谷市を通るようになりました。1618年には富谷宿が開設され、1620年に正式な宿場となりました。奥州街道は、明治維新後に陸羽街道、そして国道6号、最終的には国道4号と名称を変えながら、この地域の主要な道路としての役割を果たし続けました。

国道4号の変遷

当初、国道4号は、富谷宿を通り、西川を渡って代官所の北側を通り、丘陵を越えていくルートでした。その後、新道が建設され、旧宿場の北側を迂回するルートとなりました。さらに、1980年代には、ひより台団地の造成に伴い、団地を縦断する形で富谷バイパスが建設されました。このバイパスは、1984年に開通し、当初は2車線でしたが、拡幅用地が確保されていました。

富谷バイパスの開通後、旧国道4号は市道に格下げされ、バイパスが国道4号の本道となりました。これにより、地域では、当初の道筋を「奥州街道」、2番目の道筋を「旧国道4号」、そして現在の道筋を「富谷バイパス」と呼んで区別しています。

富谷大和拡幅事業

国道4号では、泉区から富谷市、大和町を経て大衡村に至る区間で、「富谷大和拡幅」と呼ばれる4車線化事業が行われました。この事業は、1972年に事業化され、1976年から工事が開始されました。総費用は494億円に及びました。

この拡幅事業によって、黒川郡内の区間では、1991年から2001年にかけて順次4車線化が完了し、仙台バイパスから国道457号分岐までの国道4号が全線4車線化されました。これにより、朝夕のラッシュアワーに発生していた交通渋滞が大幅に緩和され、新世紀・みやぎ国体への悪影響も回避されました。

まとめ

富谷バイパスは、歴史的な街道の変遷や、交通量の増加に対応するために建設された道路です。地域住民の生活を支えるとともに、経済活動においても重要な役割を果たしています。バイパスの開通と拡幅によって、交通の円滑化が図られ、地域の発展に貢献しています。

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